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ゴーストレストランはコロナ後も間違いなく生き残る。フードデリバリー戦争の“真の勝者”と言えるワケ=俣野成敏

「フードデリバリーの“リーバイス”を目指せ」

そもそもフードデリバリーのビジネスモデルとは、“出前の外注化”です。コロナに対応するために急成長した市場であり、コロナ収束後も残ると考えられてはいるものの、すでに参入が難しくなっています。

現在のデリバリー業界の状況を見ていると、かつてのゴールドラッシュを彷彿させます。

ゴールドラッシュとは、15世紀以降、金鉱山が発見される度に、一攫千金を夢見る者たちが、一山当てようと当地へ殺到した現象のことを言います。

中でも有名なのが、19世紀にカリフォルニアで起きたゴールドラッシュでしょう。しかし本当に成功したのは、金を掘りにきた人ではなく、その人たちに作業用ズボンをつくって販売したリーバイ・ストラウスだったと言われています。

これが、ジーンズ(リーバイス)の誕生秘話です。

人々が殺到しているビジネスほど、一見、羽振りが良さそうに見えるものです。けれど実際は、ライバルとの間でしのぎを削る壮絶な闘いが行われていることが少なくありません。

そういう時は、あえて賑わっている市場での競争を捨てて、そのすぐ近くにある派生ビジネスを取りに行くことで、成功率が上がる場合があります。

フードデリバリーから派生したゴーストレストラン

では、フードデリバリー業界から派生してきたビジネスには、どのようなものがあるのでしょうか。

例えば、ゴーストレストラン(オンライン完結型の飲食店)です。間借りしたキッチンでネット登録をし、注文が入った際に、商品をつくって配達員に渡す、というビジネスモデルになっています。
※参考:ゴーストレストランって? 「1つのキッチンで25店分」 コロナ禍で急増中 – 東京新聞(2021年1月10日配信)

通常、飲食店を開業するには、専用の設備が必要です。衛生的な料理を提供するために、床や壁を耐水性にしたり、きちんとした換気システムなどを装備したりしなければなりません。

もちろん自宅を改装して開業することもできますが、やはりそれ相当の費用がかかります。しかもコロナ禍の現在は、確実にお店を開けて売り上げを上げられる(費用を回収できる)という見込みが立たなくなりました。

しかしシェアキッチンであれば、家賃から設備費までを、最低限に抑えることが可能です。

Next: ジューススタンドが餃子を提供?可能性が広がった飲食業界

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