ドル円を語るのにドルの分析をしないアナリストも
久しぶりにアナリストからのメールをみましたが、全員、円の分析ばかりして、ドルの分析は一切しないという、結果は見なくてもわかるというような内容でした。
ドル円というのは「ドル÷円」の計算式の結果の話であり、双方の国の分析をしなければいけないのに、円ばかり分析をして、ドルが高くなる、安くなったときの分析は一切なし。これが著名な為替、FX専門家のレベルです。当たるわけがない、と私は思います。私自身も、人様のことを言えた義理ではありませんけど。
円が安くなった主な要因は、一番の要因はドルが高くなったことで、2番目の要因は金利差を利用した一般投資家のドル買い円売り、日本政府、財務省の米国債購入のドル買い円売りと考えればいいでしょう。
その証拠に日々の動きは米ドルが上昇した分だけ、円が下落を日々していただけの話です。
そして、直近ではドルが大きく下がったので、円はその分、高くなっただけの話です。つまり日本からの米国債や米国資産のドル転の円売りが枯渇したことを示したのです。
そのドルが下がった要因というのは、やはり今週末に予定されている雇用統計をにらんでのことになると思います。
今週末の米雇用統計に注目
何度も言いますが、基本は、ドルは米国の雇用にリンクをしています。FRBが「米国は好調」というのは、雇用が好調といってもよいわけですが、先週から失業保険申請者数が増加傾向になっています。FRBの法律定義の仕事は、金融の安定と雇用の拡大であり、雇用の拡大というのはイコールの関係としてドルを高くすること、ドルの信認性にあります。
ですから、貿易決済通貨として、ドルが使用されなくなりドルの信認性が下がることはアメリカにとって致命的エラーになるのですが、率先してロシアの外貨準備を差し押さえ、SWIFTから排除、何考えているのかさっぱり理解できません。
そんなことをすれば人民元やルーブルの使用率が上昇するだけの話です。そして、貿易決済にはルーブル建てを求められるとG7は拒否……とか、本当にわけがわからないことばかりやっているわけです。
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『角野實のファンダメンタルズのススメ』(2022年3月29日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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