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レイ・ダリオの「原則」に学ぶ、円安・年金減少・物価高の三重苦を日本人が生き抜く方法=花輪陽子

さらなる円安進行

円安の進行に関しては夏に1ドル135円という声も専門家の間では出ており、さらなる輸入物価の上昇も考えられます。

日銀は大量の国債を抱えているために金利を急激に上げることができず、金融引き締めに動いている米国を始めとした先進国とは対象的に緩和を続けています。

金利が急激に上がれば、借金を抱えている国、住宅ローンを変動金利で借りている国民が利払いで困窮することになります。

世界中で起きる「スタグフレーション」からのサバイバル法

さて、日本だけではなく、世界は大きな曲がり角に差し掛かっています。それは「景気のサイクル」と、「覇権」というもっと大きな長期的なパワーバランスのサイクルの両方で考える必要があります。

ブリッジウォーター・アソシエイツの創設者兼共同最高投資責任者であるレイ・ダリオ氏は、高水準のインフレと金利の上昇が続くなかで、停滞する経済背景が形成される可能性を懸念しています。

「私たちが直面する可能性が最も高いのは、スタグフレーションの時期だと思う。そして、そのような環境にバランスの取れたポートフォリオを構築する方法を理解する必要がある」と語りました。
※参考:Ray Dalio: ‘We’re going to have a period of stagflation’(2022年4月4日配信)

スタグフレーションは、経済成長の鈍化、失業の増加、インフレの上昇の時期として定義できます。

レイ・ダリオ氏の著書『PRINCIPLES(プリンシプルズ)人生と仕事の原則』(刊:日経BP)では次のように述べています。

経済環境がどう動けば資産クラスがどう動くのか私は知っている。その関係は数百年とほぼ変わっていないことも知っている。心配しなくてはいけないのは2つだけ。経済成長とインフレだ。両方とも上がる可能性も下がる可能性もある。そこで私は4つの異なる投資戦略を作れば─それぞれの戦略はある環境ではうまくいくようにして(インフレ上昇期に伸びる、インフレ下落時に伸びるなど)─受け入れがたいほどの損失が生じるリスクから守りつつ、長期間うまくいくようなバランスのとれた資産配分ミックスを築けると考えた。

出典:『PRINCIPLES(プリンシプルズ)人生と仕事の原則』(著:レイ・ダリオ/刊:日経BP)

彼は書籍の中で具体的に何を買えばよいとは教えてくれていませんが、500年間の時や場所を超えた彼なりの原理原則や、彼が経験をした印象的な出来事を伝えてくれていて、資産運用や仕事のヒントとなります。

Next: レイ・ダリオの言う「変化する世界秩序に対処するための原則」とは?

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