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iPhone、LINE、TikTok…なぜこんなに普及した?「イノベーター理論」とマーケティング戦略の実践例をゼットスケーラー日本・アジア代表の金田博之氏が解説

イノベーター理論のモデル図

5つの層を知ったうえで、まずは下記のモデル図を見てください。

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まず新しいモノを採用してくれるのは、目新しさを重視している「初期市場」の層。しかし目標は、「メインストリーム市場」まで普及させることです。

とはいえ、「初期市場」の層と「メインストリーム市場」の層では、価値観が違います。

初期市場の層は目新しさを重視しており、そこを伝えるアプローチが有効です。

しかし、メインストリーム市場の層に対して、同じように目新しさでアプローチをしても、なかなか上手くいきません。

何故なら、メインストリーム市場になると、普及率や低価格が重視されるから。逆に、目新しさは重視されません。

このように、初期市場とメインストリーム市場では明確な価値観の違いがあります。そして、この価値観の違いから「キャズム」と呼ばれる障害が生じます。

なので1つ大事なポイントは、「各市場に応じたマーケティング戦略」です。

キャズムを超えるには?

では、キャズムを超えてメインストリーム市場へ届かせるマーケティング戦略は何か?

それを説明するために、各層の特徴と求めるものを下図にまとめました。

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このように、「キャズム」を境目にして価値観が全く違っていますから、それがそのまま大きな障害になっているわけですね。

アーリーアダプターまで顧客を獲得した我々が、どれだけがんばって同じようなアプローチをしても、アーリーマジョリティにはなかなか響かないのです。

戦略の1つとしては、メインストリーム市場の層が求めていることに応えること。例えば、目新しさを売りにするのではなく、とことん安さで勝負する。というのもやり方の1つではあります。

しかしこういった戦略よりも、アーリーマジョリティの人たちにもっと響くものがあります。

それは、簡潔に言うとアーリーアダプターの「口コミ」です。

保守的な層が求める「普及率」や「安心感」は、口コミで話題になっていることが解決に繋がります。

アーリーアダプターが求めているモノを的確に見極め、それに応じた価値の提供を行うことで、アーリーアダプターの人たちが我々の代わりに商品やサービスの価値を広めてくれるイメージですね。

Next: どう実践する?ウーバー、アップル、LINEの成功事例

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