「VIX指数」が30を超えたら買い、20を切ったら売る
例えば、「VIX指数が30を超えたら買いの機会、20を切ったら売りの機会」と考える戦略があります。
VIX指数とは、恐怖指数とも呼ばれています。シカゴ・オプション取引所が、S&P500を対象とするオプション取引の満期30日のインプライド・ボラティリティを元に算出し、1993年より公表しているボラティリティ指数のことです。
S&P500が下落する場合、VIXは上昇する傾向があり、VIXとS&P500のパフォーマンスは負の相関関係にあります。
スポット買いを毎月する人は、収入の一定額を機械的に投資して、できればVIXが30以上(株式がバーゲンセール)のときに世界株式インデックスやS&P500のようなインデックス(よく分かる人は個別銘柄でも)を買う方法があります。
お金が必要になったら躊躇なく売る
そして、お金が必要になったら躊躇なく売却する(できればVIXが20以下の時に売る)ことをすれば、機械的にリバランスができることになります。
私も子どものインターの費用が年払いのために、一部の投資信託と株式を売却しました。株式などほとんどの流動性資産は営業日であれば48時間以内にキャッシュになり、銀行の場合はそのまま口座移動もできます。
しかし、私の住むシンガポールのオンライン証券での投資信託は約定日+7営業日かかり、さらに証券口座から出金するのに数営業日を要しました。プライベートエクイティなどは数年間ロッキングされるケースもあります。
資産運用をする際には、流動性が非常に重要です。
株式やETFの場合、値段が安くなってもまず48時間以内に現金にすることができます。不動産、プライベートエクイティ、一部のヘッジファンドなどはそうはいきません。
伝統的な資産運用が上手くいかなくなる時、一般投資家はプライベートエクイティに興味を持ちますが、プロは真逆です。伝統的資産がこれほど安くなっているのに、なぜロックされるプライベートエクイティに投資をしなければならないのかを考えます。
シンガポールでは売却益も非課税なので、伝統的資産の場合はお金が必要になったらいつでも売却をし、また余裕ができたら取得をし直せばよいのです。
リバランスの基準としては、損切りとして上手くいっていない銘柄と、上手くいっており130%程度利益が取れたものを半分売却しました。
教科書的には利益が出ているアセットを売却するのですが、自分の買値を気にせずにこれから上がるか下がるかを考えてリバランスをしました。
売却したあとに株が上がり出すということはよくあることですが、自分の資金ニーズで売れば後悔も少なくなります。
感情は不要。資産運用は機械的に淡々と
このように、資産運用をする際にはできるだけ感情を入れずに、機械的に淡々と行うことを心がけるのが長く生き抜く秘訣です。
失敗(売り損ねた・買い損ねた)などは次の機会に活かすことができます。もうこんなチャンスは来ないと思うかもしれませんが、数十年の間に幾度とも似たようなケースが巡ってくるからです。
特に何が起きるかまったく予測がつかなくなってきた世界情勢です。必ず次の機会は巡ってくるので、しっかりと目を開けて、世界とマーケットで起きていることを見つめ続けるべきでしょう。