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コロナ・円安・資源高騰の三重苦で企業倒産ラッシュへ。来たる大失業時代をサラリーマンが生き抜く術は?=俣野成敏

織田:私が高校生の時にアルバイトをしていた際は、時給580円からのスタートでした。今、東京辺りでは最低時給が1,000円を切る募集広告は見かけません。

俣野:日本は、最低賃金をものすごく気にする文化ですからね。もちろん、最低賃金の引き上げは大切なことではあるのですが、それだけでは、全体を底上げするには不十分です。

織田:正社員の給与が横ばいに推移している一方で、実は日本企業の収益構造として、儲かっている会社が結構多いことをご存じでしょうか。

俣野:給与が上がらないのは、「企業が儲かっていなかったからではない」ということでしょうか。

織田:はい。多くの企業は、出た利益を内部留保という形で溜め込んできたのです。

これからくる未来は、我慢だけでは乗り越えられない

織田:日本では長い間、デフレ状態が続きました。デフレというのは、物の価値が下がって通貨の価値が上がる状態のことですから、企業が通貨を溜め込んだのは、ある意味、理に叶っていたとは言えます。

しかし、企業が利益を従業員に還元しない限り、本当の意味でデフレから脱却することはできません。これが、平成の失われた30年の一因になったのは間違いないでしょう。

失われた30年のもう1つの要因は、非正規雇用の増大です。2001年に成立した小泉政権のもと、派遣労働に対する規制緩和が推し進められました。

格差是正は、過去にも度々言われてきたことですが、日本で行われてきたことと言えば、「正規雇用を減らしてその分、非正規雇用を増やし」「最低賃金をジリジリ上げる」ことでした。

俣野:確かに、差は縮まったかもしれませんが、それは全体が引き上げられるのではなく、下に押し下げられる形で達成されようとしている、ということですね。

織田:そうです。特に、経済の主な担い手である中間所得層が相対的に下がっていったことが、今の成長なき日本をつくり上げた根本的な要因だと考えています。

Next: 「円安とインフレ」が生活に大打撃。個人ができる生存戦略は?

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