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バフェットに憧れた孫正義さん、ど素人投資で3.2兆円大赤字へ。天才と凡人の投資姿勢に5つの差=栫井駿介

5兆円の赤字でもビクともしない

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そこで、思い返したいのが、投資の神様と言われるウォーレン・バフェットです。

実はウォーレン・バフェットもソフトバンクと同じように、投資会社の会長なのです。そもそもこの孫さんが「投資会社を始めたい」「ソフトバンクの投資会社にしたい」と言ったのも、ある意味ウォーレンバフェットに憧れを抱いていたからだということが、過去の決算説明会からも読み取れるわけです。

バフェットが運営するバークシャーハサウェイも投資会社ですから、今の目先の株価の下落、アメリカ企業の株価の下落の影響は、避けられないわけです。

じゃあどうなっているのかというと、このバークシャー。なんと同じ4月から6月の3ヶ月で最終赤字5兆円出しているのです。「あれ?ソフトバンクの3.2兆円より大きい」と思いますよね。当然、企業規模違いますけれども、5兆円もの赤字というとやはり相当なことです。

しかし、たまたま日経に出たもので(決算発表の写真というわけではないんですが)おおよその数字はわかっている中で、これが株主総会のときの写真です。バフェット、笑顔でニコニコしてます。先ほどソフトバンクの孫社長との表情と180度違うわけです。

バフェットは、この5兆円もの赤字を出して、なんでこんなにニコニコしていられるのか?不思議じゃないでしょうか?

 

バフェットが平気な理由

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実は目先の数字は、ソフトバンクとバークシャー、まったく一緒と言っても過言ではないわけです。

しかしこれだけの表情の違い、何が起きてるのかっていうことです。それは、これまでバフェットが喋ってきたマニュアルレポートで発信してきたことから、ある程度読み取れるわけです。

というのも、バフェットが平気な理由として、マニュアルレポートの2017年で、こういうことを言っていました。

「信号はいつでも黄色を飛ばして、青から赤に変わる」すなわちどういうことかというと株式市場は、目先非常に好調だと思っても、そこから少し危ないと言って急に悪くなるわけではなく、あるとき急に悪くなることもあるというのです。それほど、移り気なものであるということを、まず認識しなさいということから始まっています。そして波が引いたとき、つまり株価が下がったときに初めて、誰が裸で泳いだかわかるということです。

波が上がっているとき、みんなが絶好調で、どんどん投資しよう投資しようと言ってるときは、誰がちゃんと投資できていて誰がちゃんとできていないのかわからない状況です。しかし波が引いてくると、いよいよそこであぶり出されるわけです。エセでやっていた人が。ある意味、今回のソフトバンクの運用がまさにそういうことだったんではないかということが伺えるわけです。

こうやって株価の動きを見ていると、孫社長は株価が下がったときには、ものすごく落ち込むわけです。大きな損失も出してしまっています。株価が上がっているときに有頂天になって、株価が下がったときに落胆する。そんなことを繰り返さないといけないのです。

一方でバフェットがなぜそれをする必要がないかというと、株価ではなくて、企業に投資しているからです。つまり、素晴らしい企業が素晴らしいビジネスを行って、利益、付加価値を生み出せば、やがて、それが企業を大きくして、その利益が再び企業に返ってくる。そのことによって企業がさらに大きくなるということで、長期で成長する。それが企業の価値である、価値に投資をしているということになるわけなんです。

その価値、企業とか価値を見ているからこそ、株価の動きに一喜一憂する必要はない。5兆円の損失を出しても悠々としていられるわけなのです。

Next: バフェットと孫正義、器の違いはどこにある?

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