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バフェットに憧れた孫正義さん、ど素人投資で3.2兆円大赤字へ。天才と凡人の投資姿勢に5つの差=栫井駿介

<4. 現金>

では、下がったときに、買うべき現金があるのかというところです。素人運用だと、もう上がったときに買ってしまっていますからもう現金残ってないのです。だったらもう投資をやめるか、あるいは何か売るかという動きにしか出ることができません。しかしバフェット式運用では上がっているとき、ぐっとこらえてお金を貯め込んでいるのです。

確かにお金を溜め込むと、株価が上がっているときは、現金は増えませんから、パフォーマンスが下がります。ただ相対的なパフォーマンスの低下というのをぐっとこらえてでも現金を持つ。

そして、いよいよ下がったときに投資する。投資してからあとは、企業が成長するのをずっと待つというのが長期投資バフェット式運用の基本です。

<5. 結果>

その結果として、素人運用では良くてトントン。今、ソフトバンクグループの投資がほぼトントンになりましたけれども、結局、何年経ってもトントンにしかならなかった。

一方でバフェット式運用は、確かにバフェットのバークシャーも5兆円の赤字を出しているので、目先だけ見れば儲かってないということになるかもしれません。しかし、その間も持ってる企業がしっかりと価値を産んでいるのです。バフェットが投資するのは、どちらかというと安定した企業なのでその間、株価が下がったとしても配当は入ってきます。

その配当を再び、安いときに安い企業に投資していれば、まさに複利効果で株価が上がってくることになりますし、企業の価値が増えれば当然、株価も上がっていくということになってくるわけです。

孫さんも言ってるんですけれども、400社に投資しているうちの1~2社くらい例えばかつてのアリババのような素晴らしく伸びる。アリババとかGAFAのような企業が出ればいいと言っています。それって運用って言えるの?かなり博打に近いんじゃない?というようなことは、正直言えるんではないかと思います。

今こそ買うべきなときなのに、買わないというのは、そもそも、ファンドマネージャーとしては、いかがなものか?と思うわけです。

孫さんも、単に株価に投資しているわけではなくて、あくまでAIとか、そういうITの未来に賭けているわけですから、事業を見てないわけではないと思います。だったらしかし、事業を見ているならなおさら、いまは投資を辞めるときではなくて、むしろ積極的に攻めるときなはずなんです。

それをやっていないというのは、そもそも投資会社としてのソフトバンクグループの実力を疑うと言わざるを得ないわけなのです。今回の解説、ソフトバンクグループはもちろんですし、投資のやり方という意味でも非常に勉強になると思います。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


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image by:glen photo / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2022年8月19日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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