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「その保険、必要ありません」。シニアライフに不可欠なお金の基本【第1回~金融と保険~】=牧野寿和

2つ目 保険商品の基本

保険商品は、貯蓄と保障を兼ね備えた金融商品でもあります。ここでは、主に保障の面を見ていきます。

保険商品には、自身や家族が死亡した時や入院した時のための、死亡や医療の保険商品が販売されています。

また、他人に損害を与えた時のその損害や費用などを補いつぐなうことや自身の補償のために、火災や自動車といった損害保険商品が販売されています。

万が一の場合に、家計や貯蓄から賄えない金額を、これらの保険商品に加入して、その保険から支出してもらうのが基本です。

自動車を運転中に不幸にして、他人を死傷させてしまった場合の損害は、家計や貯蓄、資産を処分しても、到底、支払うことはできません。

その補償を得るために、損害賠償保険に加入することは、賢明なことなのです。

なお、ここまでお話している保険商品は、民間の保険会社が販売している保険で、加入することは任意です。

死亡・医療保険の確認を

ところで、私たちは、公的年金(国民年金・厚生年金)や健康保険に加入しています。

国民年金は、原則60歳までの加入ですが、60歳以降も厚生年金に加入する事業所に務める場合は、勤めている期間中70歳までは厚生年金保険料を納付します。

加入の要件を満たすことで、本人が死亡した時には、遺族が遺族年金を、障がいの状態になった時には、本人が障害年金を受給します。

また、健康保険は生涯保険料を納付します。

ここでは詳しくはお話いたしませんが、たとえば、健康保険では入院した時に「高額療養費」の制度があり、前年の収入や所得に応じて病院へ支払う限度額が定められています。

従って、必要以上に、民間の死亡保険や医療保険に加入しなくていいのです。

また、加入している保険商品の保障内容を、知らないまま保険料を支払っている方もいます。

極端な例にはなりますが、死亡保険に加入しているので、何歳になっても、遺族に死亡保険金が支払われると思っていても、70歳「定期」の死亡保険だった場合は、71歳で死亡したら、保険金もらえないといったケースです。

金融の知識は絶対に必要

ここまでお話してきたことは、誰しもが、何度となく聞いたことのあることでしょう。

特に「金融商品の基本」については、株式投資をしてみようと思いながら、生涯しないままの方もいます。

決して、それが悪いことではありません。

それより大切なことは、やはり、金融商品を運用するには運用する商品の知識が必要だということです。

言い換えれば、様々な知識を柔軟に受け入れることのできる年代から始めるべきことです。

そして、老後の生活では、今まで運用してきた金融商品を、いまの運用の知識から、いかに家計に負担なく軟着陸させるか、

つまり、自分自身で収益を確定させるのか、または、負担なく次世代に継いでいくのかを考えて、行動する準備をしておくことです。

年齢に合ったお金との付き合い方を考えることは、生涯に渡り必要なことです!

リタイアが決まってから、老後のライフプランの相談にみえる方がいますが、現役中は、仕事が忙しかったようです。今からでも最低限の知識を身に着けて行きましょう。

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image by:umaruchan4678 / Shutterstock.com
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【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2022年8月17日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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