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国葬、統一教会騒動で支持率デッドクロス。世論を敵に回した岸田政権の早すぎる終焉=山崎和邦

安倍元首相の国葬と統一教会問題で、岸田内閣の支持率は40%に落ちた。不支持率は40%に上昇した。株価で例えれば、ついにデッドクロスを迎えてしまい、短命政権に終わる可能性が高まった。岸田首相はどこで失敗したのかを改めて整理したい。(「週報『投機の流儀』」山崎和邦)

※本記事は有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』』2022年9月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。

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安倍元首相の国葬に反対する4つの理由

こういう現象が生じている今、再び国葬について是非述べたい。

筆者は国葬に敢えて反対するわけではないが、反対か賛成かのいずれかを選べと言われれば、当初から反対の方に回っていた。但し、敢えて大騒ぎして反対するほどの意思もない。

反対の理由は極めて単純で

1:動機が不純である(最大派閥である安倍派のご機嫌をとるためということがミエミエであった)。

2:国葬の本来の意義にそぐわない。

3:決め方が軽率だった。おそらく国民の大半が反対するであろう(その理由は筆者と同様であろう)。

4:但し、軽率さを伴うが「突破力」は認め、その突破力を理念の確立や政策の遂行に向けてもらいたいから、筆者は大騒ぎするほどの反対はしない。

以上である。

内閣支持率40%、不支持率40%のデッドクロス

おそらく国民の7割~8割は反対だろうと思っていたが、その背景もあって内閣支持率は40%に落ちた。不支持率は40%に上昇した。支持率・不支持率をグラフ化すれば、40%になったところで「デッドクロス」が起きたというのが先週前半である。

英国ロンドンでは、バッキンガム宮殿に向かう人々が、花束や国旗を持って群れをなしているというし、雨上がりのその日の夕方にバッキンガム宮殿の上に虹がかかったという写真も新聞に出ている。一方で日本はどうだ?国葬反対のデモの写真が出ている。プラカードには「国葬は安倍元首相の神格化だ」などとある。

ところで、筆者は国葬には特に強く反対しているわけではないが、最初から岸田内閣の軽率さにはビックリした。いきなり国葬を決めるのは、手続きの上で違法ではないかもしれないが、その軽率さには驚いた。同時に、その突破力で政策決定と遂行力に見たかった。

なぜ安倍元首相だけ国葬になるのか?

国葬は元々君主制を支える最高の儀式であって、日本では天皇および天皇制を支えた者に対するセレモニーである。だから、吉田茂は国葬でも良かったと思う。彼はマッカーサーと相談して「国体の護持」と称する天皇制を残し、その方が人心を落ち着かせると見て、GHQと内密に相談して、米ソの対立が激しくなって、日本の存在が地政学的に重要になってくるまで講和条約を7年間伸ばし、日本列島の米・英・中・ソへの4分割を避けたし、多額の賠償金をも避けた。その点では、国葬にしても違和感がなかった。

しかし、安倍元首相だけを何故国葬にするのか?たしかに、彼はフローの点から見れば、大いに功績はあった。沈みゆく日本経済を立て直した。年金の原資となるGPIFの資金を40兆円に増やしたし、国富も増やしたし、株式時価総額も2倍以上にしたし、主力企業の創業以来の好業績を6年間続けたし、雇用も増やした。そういう意味で、フローの面では大いに功績はあったし、個人的には筆者もおそらく読者諸賢も、株式投資を通してその恩恵に預かったはずだ。

だが、君主制を支える最高の儀式である国葬が、何故安倍元首相なのかは非常に軽率さを感じた。フローの面では、たしかに戦後の日本に大いに貢献したことに関しては、六本の指に入ると思う。所得倍増計画を10年の予定を7年で達成した1)池田勇人。その後継者である2)佐藤栄作。そのために戦後初めての赤字国債を発行して、日本のインフラに大きな貢献を果たし、第二の昭和恐慌と言われた昭和40年不況を脱して、当時史上最長の「いざなぎ景気」へつないだ3)福田赳夫。

あるいは、ストばかりやっている組合員が50万人もいて、50兆円の赤字を出していた日本国有鉄道を民営化して、100年前に松永安左エ門がやったように、いくつにも分社して寄らば大樹の陰の巨大赤字を一人前の企業として機能させた。電電公社も民営化した。たばこ産業も民営化した。国のかたちを全く変えた。これが4)中曾根康弘である。郵政民営化したのは5)小泉純一郎である。これによってIT業界が発展し、IT技術が発達し、携帯電話が発達した。

こういう偉大な先人たちと比べて、フローの面では一大功績があったことには間違いない安倍元首相だけが何故、国葬なのか?

「子供たちに(国葬を)押し付け、信じ込ませるのは教育とは正反対のものです」と言うのは元文科省事務次官の前川喜平氏である(しんぶん赤旗、9月11日号)。

文科省事務次官と言えば、民間会社なら生え抜きの社長であるから「子供たちに押し付け信じ込ませる教育」というようなことに関しては、最も詳しいはずである。官僚は国内の許認可関係を通して、海外では大使館に駐在する官僚を通して、国内外の情報が全て官僚に集まる。大学卒業から数十年、霞ヶ関で担当分野を専門にやってきた者である。

ちなみに、その官僚をダメにしたのは安倍内閣の菅官房長官だった。長期的・構造的に見れば、日本の弱体化はそこに発していると筆者は思っている。

Next: 岸田首相を短命に終わらせる旧統一教会叩きへの違和感

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