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なぜダブル・スコープで真面目な投資家たちが大損したのか。投資顧問が見た裏側と実像、バイオベンチャーとは異なるリスクと今後の業績予想=栫井駿介

そんなにやばいのか?

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ただ改めて見てみたんですけど、そんなにやばいのかと。

多くの場合、こういった急落のケースというのは、その企業に実態がほとんどなかった。例えばバイオベンチャーなどは、最たるものです。

バイオベンチャーで開発に「成功した」とか「成功するかもしれない」みたいなリリースを出して、株価つり上げる。しかし実際は「成功しませんでした」とか「承認されませんでした」ということでガーンと株価が落ちるのです。

アンジェスとかサンバイオとかそういった話はいろいろあるんですが、今回はそういうケースではない。

ある程度実態が伴っているものだと思います。

<ダブル・スコープの時価総額は約1,000億円>

現時点(動画撮影時)でのダブル・スコープの時価総額。およそ1,000億円あります。それに対して、子会社の時価総額が2,000億円です。

<子会社の時価総額2,000億円 × 36% = 720億円>

元々2,000~3,000億。3,000億ぐらいとみられていたところが、2,000億になってしまったわけですが、2,000億円だとしても、上場後に36%の株を保有するということです。

その株式の価値を換算すると、720億円は親会社が持っているということになります。

ダブル・スコープそのものが持っているということです。この差が280億。

<合理的な価格の範囲>

当然子会社だけでもありませんから、親会社の時価総額が1,000億円というのは、比較的合理的な価格形成の範疇なのではないかと思います。

もちろん、1,000億円というのは、株価として3,000円が1500円になった後の価格なので、3,000円というのはさすがにちょっと無理があったのかもしれないです。しかし今の価格だったら、十分合理的な範疇と考えます。

逆に言えば、子会社が3,000億円だったとして、その3割ですから、それで1,000億円です。元々3,000円が高すぎたというのは、1つあると思います。

どうしても株価が上がると、まだ上がるんじゃないかということで、多くの投資家が期待してしまいます。しかしそれはあくまで「期待で上がった」ということに過ぎないわけです。

ただ一方で今の株価、落ちた後の株価が1500円程度というのは、合理的な範疇であるということが考えられるわけです。

実はこの会社、子会社といっても実質この2社でして、元々あるダブル・スコープコリアと、このチェジュ(今上場したチェジュプラント)。2社で成り立っていると思って良いでしょう。

確かに上場するチェジュプラントの方が大きい。売上高として大きい(昨年度の数字)です。

当然コリアの方にも価値はあるということを考えると、まあ、こんなもんかなというところがあります。

実際にこれらを含めて、これから利益を出していくということになると、まったく価値がないものに投資をしているわけではないです。

それがいわゆる、これまでの煽り銘柄との大きな違いであるということが言えます。

Next: ダブル・スコープは買いか?今後の展開

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