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ハイボールブームの韓国でサントリー「角瓶」が極度の品薄に。水際対策の緩和による爆買い勢の来日で品薄が“飛び火”するのを恐れる声も

ハイボール好きにはお馴染みであるサントリーウイスキーの角瓶だが、ここに来て韓国で大人気となっているようで、品切れにくわえて価格の高騰も起きているようだ。

報道によると、韓国においても近年はコロナ禍により家飲みが広がったようで、その際に家でハイボールを作って飲む若者が急増したとのこと。韓国関税庁が発表した統計によれば、日本のウイスキーの輸入量は2018~20年の60~70トン台から、21年には142.4トンに激増しているという。

いっぽう、日本国内でもコロナの巣ごもり需要でウイスキーの売り上げが増えており、そのためサントリーが韓国への角瓶の出荷を制限したことから、韓国国内で品薄が慢性化する事態に。店頭に並ぶ数少ない商品も1本で46000ウォン(約4730円)と、日本国内で売られている価格の3倍程度まで高騰しているケースもあったという。

韓国で人気のハイボールの飲み方とは?

日本国内においては2009年にハイボールブームが起こり、それまで下降の一途だったウイスキー消費量が一転して上向きに転じたわけだが、それから10年以上経った今、突如巻き起こっているという韓国のハイボールブーム。

この火付け役ののひとつとされているのが、韓国で放映されている『私は一人で暮らす』という芸能人の私生活密着番組。

その番組内で、女性コメディアンのパク・ナレさんが自ら作って飲んでいたという「アールグレイハイボール」、ハイボールにアールグレイシロップをくわえた飲み方なのだが、それが大いに注目を集めたことが人気のきっかけとなったようだ。

とはいえ、韓国には国産の有名なウイスキーブランドがなく、ウイスキーはほとんど輸入に頼っているのが実情とのこと。

ハイボール用のウイスキーだと、韓国内ではアイリッシュ・ウイスキーの「ジェムソン」や、バーボン・ウイスキーの「ワイルドターキー」なども人気が高いということだが、なかでも角瓶は欧米のウイスキーと比べて味が優しく、レモン果汁とも合うと韓国の人々の間でも評判で、ひときわ好まれるのだそうだ。

ただ、最近では先述の通り韓国内への角瓶の出荷が抑えられている状況で、さらに数少ない輸入分はより高単価で売れる居酒屋や日本食店に優先的にまわされるため、街の酒屋やスーパーなどにはなかなか並ばないという状況が続いているいい、韓国の街中では人気の銘柄を購入するために、店の前で長時間列に並ぶといった光景も珍しくないとのこと。

昨今は韓国に限らず、世界的にウイスキーへの需要が高まっている状況。さらにウイスキーといえば、原酒を熟成させる期間が年単位でかかることから、よほどの手段を選ばない限り急激な増産は難しい。それだけに、韓国国内における角瓶も含めたウイスキー品薄の状況は、当分続くのではないかというのが多くの人の見立てのようだ。

水際対策の緩和で角瓶“爆買い”勢が大挙襲来?

このように俄かに沸騰しているという韓国での角瓶人気に対して、SNS上では「NO JAPANはどうしたんだ?」「なぜJINROやチャミスルを飲まない?」といった声が多くあがるなど、日本国内でも驚きとともに受け止められているようだ。

いっぽうで、日頃から角瓶でハイボールなどを楽しんでいるといった人々の一部で危惧が広がっているのが、例えばサントリーだと「山崎」や「響」などといった銘柄のように、日本国内でも角瓶がプレミア化してしまい、入手が難しくなるのではという、まさかの事態。

実際、今月11日には新型コロナの水際対策が緩和され、再びインバウンドを取り込もうという流れになっており、それを機に角瓶の“爆買い”目当ての韓国人が、大挙訪れることも大いに考えられるというのだ。

さらにそういった事態を、日本国内のいわゆる“転売ヤー”と呼ばれる面々が、大人しく見守るとは到底思えず、そちらの筋からの買い占めも大いに想定されるところ。韓国内で続く角瓶の“品薄”が日本にも飛び火してしまうという、角ハイ好きにとってはまさに最悪といった事態も、今後はもしかすると覚悟すべきなのかもしれないようだ。

Next: 「トップバリューのウイスキー薦めてる人…」

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