fbpx

政府はダイエーをゾンビ企業にした轍を踏むのか?コロナ特例金“ゼロゼロ融資”の期限到来。赤字企業の借金はチャラ。国民はインフレ窮乏に陥る=吉田繁治

急増したコロナ負債で金融恐慌は必ず起きる

日本の42兆円は、世界のコロナ対策費なかの一例です。

1)米国・欧州・日本の合計では、世界GDPの10%の、10兆ドル(1400兆円)の、「中央銀行による信用創造(=マネー増発)と財政支出→需要創造と特別貸し付け」が行われ、

2)ウクライナ戦争と重なって、コロナ後インフレの原因になってきたのです。

世界の、銀行を除く非金融部門(政府+企業+世帯)の負債は、コロナ対策の2020年から、以下のように急増しています。

            (政府部門:民間部門)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1)日本ではGEP比  400%(230%:170%)
2)フランス     350%(110%:240%)
3)英国       300%(100%:200%)
4)イタリア     300%(160%:140%)
5)中国       300%( 60%:240%)
6)米国       300%(120%:180%)
7)ドイツ      200%( 60%:140%)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

参考:各国の債務はコロナ禍でどう変化したか 国際比較の視点から見えてくるもの-NIRA総合研究開発機構

GDPの300%から400%の負債をかかえる国で、2021年までのゼロ金利から、2022年、2023年と金利が上がっていくと、どうなるでしょう。

株価は下がり、借入金の金利が払えなくなって、銀行資産に不良債権が増えます。これが金融危機です。金融危機は。起こる、それがいつかという時間の問題だけになっているのが、現在です。

GDP比の企業と世帯の負債は、欧州と中国が高い。

このため、金融危機の順序は欧州が最初でしょう。事実、ともに新政権になった英国とイタリアは、金融危機寸前の状況です(22年10月時点)。次がフランスでしょう。

米国では、2023年半ばでしょうか。政府負債が世界1大きな日本は、2024年でしょうか。

なお、ドイツとスイスはインフレで金利が高騰しても、対外純負債がなく、経常収支が黒字なのでおよそ安全です。

危険水域に入った中国の状況

中国では、GDP比25%の建設とローンで、もっとも大きな負債がある住宅関連融資が、すでに、危ない。

政府は不良債権の認定をせず、糊塗と飛ばしをしています。中国の銀行は、共産党支配の国有です。不良化した債権への、仲間内への「追い貸し」が多い(クローニー・キャピタリズムという)。社会主義金融がこれです。

利払い分と約定返済分を、追加で貸し付けて返済があったように偽装するのが追い貸しです。

企業再生で生き残った日本のゾンビ企業

日本でも1990年代に末からの、企業再生として行われました。

日本では、政府が決める企業再生としてゾンビ企業が残り、その後、20年、GDPの成長と賃金上昇の障害になっています。これも既存産業への、政府の、クローニー・キャピタリズム(仲間内に甘い資本主義)です。

生産年齢人口が2013年をピークに減っている中国は、日本の資産バブル崩壊(1990-98)の後を追っています。

日本の、資産バブル崩壊の基底の原因は、最初の住宅をローンで買う世代人口(ほぼ30歳代)の急減でした。

追い貸しと、借金のカットを受けたゾンビ企業は、その後20年、低金利負債によって、残ってきたのです。

政府のゼロ金利策は、「金利の追い貸し」と同じです。

Next: ダイエーは政府の企業再生でソンビ企業となった

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー