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政府はダイエーをゾンビ企業にした轍を踏むのか?コロナ特例金“ゼロゼロ融資”の期限到来。赤字企業の借金はチャラ。国民はインフレ窮乏に陥る=吉田繁治

コロナ時に行われたゼロ金利、無担保「ゼロゼロ融資」の利払いが今月から始まります。元々、売上減少による損失補填のための融資だったので、借りた企業は返せないでしょう。そんなゾンビ企業を増やす負担を課されるのは我々国民です。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

※本記事は有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』2022年10月12日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

コロナの“ゼロゼロ融資”を負担するのは国民

コロナ・パンデミックのときの「ゼロゼロ融資」は、234万企業(約60%)に対して総額42兆円でした。

ゼロ金利&無担保の融資です。政府は、3年間で1.8兆円になる利子を、補給しています。3年後が22年9月末です。

22年10月からは、借りた企業の利払いが始まります。

コロナ特例融資は、売上を増やす設備投資のためではない。売上減少による損失の補填に消えたものです。

借りた企業は42兆円を支払っているので、自社の銀行口座には、そのマネーはない。返済と利払いは難しい。

政府は、特例貸付金の返済と利払いを延期するでしょう。

返済を猶予しないと、2023年には、世界中でコロナ倒産が急増するからです。倒産とは経費の支払いができないこと、返済ができないこと、銀行取引が停止処分にあうことです。

利払いができない借り入れは、期限の利益を失って、残債の一括返済を迫られますが、当然に返済はできない。このため担保に差し出していた資産が没収されます。損失は銀行が負います。ゼロゼロ融資では政府です。

この42兆円のマネーは、どこから来たのか。政府が国債を増加発行し、その国債を日銀が買って、信用創造したマネーが元になっています。中央銀行による信用創造とは、通貨の増刷です。中央銀行の信用創造の分、政府の国債が増えています。

日銀と銀行システムで増発された円は、企業や世帯、言い換えれば、政府を除く非金融法人の負債になっているのです。

コロナ特例融資がインフレを引き起こした

以上は日本の、2020年から21年のコロナ特例融資42兆円の一例です。借りた会社からムリに回収すれば倒産(=失業の増加)するので回収は困難です。

銀行資産として帳簿上に金額はあっても、内容は、不良債権または不良債権に近いものになっていることが分かるでしょう。

政府が、コロナ特例融資を銀行に対して保証しているので、銀行の資産査定がされていないだけです。

マネーの源流では、「政府の国債の不良化=中央銀行の負債である当座預金の不良化=通貨信用の低下=世界インフレ」になっているのです。

コロナ危機は、仕事ができないことからの需要の急低下ですから、本来は、物価が下がるデフレ不況になるものでした。

世界の政府は、コロナによる、需要縮小のデフレ型不況を避けるため、国債を増発し、中央銀行に買ってもらい、その国債を現金化(マネタリゼーション)し、バラ撒いたのです。
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それが、中央銀行の負債である当座預金(=銀行の現金資産)の増加です。国債の現金化によって、資源・商品への需要が作られ、2021年4月からの世界は、第二次石油危機以降40年ぶりのインフレになりました。

コロナでサプライチェーンが停止し、ウクライナ戦争で資源生産と輸入が減ってもても、需要が減ればインフレにはならない。政府のマネーバラ撒きによって、需要が減らなかったため、インフレになったのです。

Next: 急増したコロナ負債で金融恐慌は必ず起きる

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