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ジム・ロジャーズが断言「円安は続く」1ドル175円超えの水準も。インフレ下でポートフォリオをどう調整するか?=花輪陽子

日銀の介入も虚しく、円安が続いています。世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏に円安の流れについて10月20日に見解を尋ねたところ、「円安トレンドは変わらない」と断言していました。この円安・インフレの状況下でどう資産運用したらよいのか?株式60%・債券40%という古典的な分散投資の「60/40」ポートフォリオは今年、両方の資産クラスが急落したために大きな打撃を受けています。(『 花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編 花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編 』花輪陽子)

【関連】天才投資家ジム・ロジャーズが保有する日本株銘柄とは?インタビューで語った急上昇相場の到来時期=花輪陽子

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プロフィール:花輪陽子(はなわ ようこ)
外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。

ジム・ロジャーズ氏「1ドル=175円に戻る可能性は十分」

財務省が発表した9月29~10月27日の為替介入実績は6兆3,499億円で、単月の円買い・ドル売り介入としては過去最大のものとなりました。

世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏に円安の流れについて10月20日に見解を尋ねたところ、「円安トレンドは変わらない」と断言しています。

ジム・ロジャーズ氏は次のように語ってくれました。

「私はもっと早い段階で円安になると予想しており、想像以上に円が持ちこたえており驚いている。なぜなら日銀はずっと前から紙幣を印刷し続けており、これを続けていると比較的早い段階でその国の通貨は弱まるからだ。

大量の紙幣を印刷すれば、その紙幣の価値は相対的に弱まるはずだからだ。しかし、今となっては市場参加者は冷静に現実を見始めているように伺える。

円安はどこまで続くかとよく聞かれるが、長期のチャートからも1980年代に175円を上回っていた。その水準に戻る可能性も十分にあり得る。日本は当時より巨額の負債を背負っており、以前より財務状況が悪化しているからだ。

最近の円安は日本が金融緩和を続けている中で米国が一気に政策を変更して金利を積極的に上げていることが大きな理由である」

介入によって一時的に円安のスピードが弱まっているので、資産の一部を米ドル預金などに置いておくのも一手でしょう。

米ドル預金をする際には金融機関が倒産しないところを選ぶ必要があります。万一の際には外貨預金は保護の対象から除かれるからです。

万一、倒産をした場合は資産の処分や回収などをしたあとに返金となりますので、相当の時間がかかる場合もあります。母体が大きく、格付けなどもよい金融機関を選びたいものです。

「60/40」ポートフォリオは過去1世紀で最悪なリターン

株式60%・債券40%という古典的な分散投資の「60/40」ポートフォリオは今年、両方の資産クラスが急落したために大きな打撃を受けました。

BofAグローバル・リサーチはリポートで、古典的な「60/40」ポートフォリオを持つ投資家は、今年、過去1世紀で最悪のリターンに直面していると指摘。債券市場は巨額の資金流出を続けていると言います。

2022年(現在)は、「インフレショック」が「金利ショック」を引き起こし、それが「景気後退ショック」と「クレジットイベント」を脅かしており、インフレショックはまだ終わっていません。(※筆者による和訳)

出典:“60/40” portfolios are facing worst returns in 100 years: BofA | Reuters(2022年10月14日配信)

2021年初頭以来、複数の主要なスキャンダルを経験してきた世界最大級の銀行であるクレディスイスが危険な状態に陥っています。
※参考:Credit Suisse: What Exactly Is Going On At The Global Investment Giant? Have They Hit Bottom Yet? – Forbes(2022年10月12日配信)
※参考:クレディ・スイスの資本不足はどれほど深刻なのか – SWI swissinfo.ch(2022年10月6日配信)

欧州系の金融機関の株式は大幅に下落しており、欧州発のショックが走らないことを見守りたいものです。

しかし、バンガード社の月刊ニュースレター、インディペンデント・アドバイザー・フォー・バンガード・インベスターズの調査によれば、歴史を指針とするなら、60/40ポートフォリオは今年後半に大きなリターンを上げる可能性があるとも言います。

Next: 60/40ポートフォリオはここから復調?インフレ下でどう調整するか

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