消費者が有限である以上はそれがリミットになる
ドル高はもちろん永遠ではない。FRBの政策変換や社会環境の変化で再びドル円が巻き返される局面がいずれくるだろう。GAFAは一時的に売上を落としても為替環境が安定すると売上も復活するかもしれない。
しかし、そうだとしても売上の伸びは無限ではない。人間の身長もある時点で成長が止まるように、企業の主力製品もある時点で売上が止まる。
なぜなら、消費者が有限である以上はそれがリミットになるからだ。
企業が常に「多国籍=グローバル」であることを志向するのは、言うまでもなく消費者数の限界を突破するためでもある。
自国で限界を突破したら違う国へ進出する。そこで限界を迎えたら再び違う国に進出する。そうやって地球を一周して製品やサービスを売ろうとする。だから、企業はグローバル化が宿命づけられている存在であるとも言える。
株主のための「巨大化」で身動きがとれなくなっていく
GAFAのみならずアメリカのハイテク企業各社が巨大なのは、言うまでもなく世界中にその製品やサービスを展開することに成功したからだ。
もちろん、政治的問題や経済的問題で取りこぼした国もあるのは間違いないのだが、そうした難しい国を取り込む努力をしながらも、全体的に見ればアメリカのハイテク企業群はすでに世界を征服したも同然である。
GAFAはすでに十分に巨大化した。しかし、企業は常に投資家によって「成長」を求められており、製品やサービスをより売り続けなければならない宿命が科せられている。そのため、GAFAのすべては多角化を成功させることを求められている。
多角化は事業を拡大させるための方策ではあるが、企業が多角化に邁進するようになると、今度は違う問題を引き起こす。企業そのものが肥大化して判断が遅くなり、経営の焦点がぼやけるようになり、社運を賭けた転換にも失敗するようになっていく。
それがいち早く鮮明となったのがMetaであると言える。