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韓国、世界一の「借金癖」で3回目の通貨危機へ。救済されてもまた繰り返す=勝又壽良

韓国で3回目の通貨危機が指摘されている。通貨危機とは、ドル資金流出に伴うウォン相場の急落である。日本も円安が急速に進んだが「円危機」という言葉を聞かない。それは、根底に日本経済への信頼感があるからだ。韓国は、そういう信頼感のないことが最大の問題である。韓国経済を揺るがしているのは、企業と家計が過剰債務に陥っている点だ。国民の「借金癖」が韓国経済を危機に陥れている。(『 勝又壽良の経済時評 勝又壽良の経済時評 』勝又壽良)

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※本記事は有料メルマガ『勝又壽良の経済時評』2022年11月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。

中国経済と共倒れか。韓国に迫る危機

韓国経済は、これまで経験しなかった状況に遭遇している。

韓国は過去2回、通貨危機(1997年と2008年)を経験したが、中国経済の急成長に伴う輸出増加で切り抜けられた。現在、迫りつつある経済危機では、頼みの中国経済が急減速しているのだ。この点が、従来にない新たな不安要因となっている。

中国にまつわる不安は、これだけでない。米中対立が長期に続く様相が濃くなってきたことだ。習近平氏の3期目の国家主席就任は、台湾統一を第一目標に掲げている。「大祖国統一」という御旗を掲げ、武力行使も辞さない姿勢だ。さらに、2049年の建国100年には、米国覇権に対抗して、経済・外交・軍事において世界のリーダーを目指すとしている。

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こういう目標が、習氏によって掲げられた以上、米国と同盟を結ぶ韓国は、これまでの「二股外交」は不可能になった。米国と一体化して、中国の攻勢に立ち向かわなければならない立場になっているのである。

米中のデカップリング(分断)が進むことで、韓国は中国との関係が希薄化される運命なのだ。

もう1つ中国経済自体が、次のような根本的な弱点を抱えている。

1. 少子高齢化による生産年齢人口の減少
2. 不動産バブル崩壊に伴う過剰負債の処理
3. 「共同富裕論」による生産性低下の問題

こうした「三重苦」によって、2049年の世界覇権獲得は「絵空事」に終わるはずだ、中国自体はそれに気付かず、軍拡という無駄な行動を重ねるであろう。だが、中国経済の衰退とともに、韓国の対中輸出は減らざるを得ないのだ。

韓国の対中輸出比率は約25%である。香港を含めれば3割に達する。これだけのウエイトを持つ中国経済の減衰は、韓国にとって大きな痛手になる。

懸念される3回目の通貨危機

こうした客観情勢の中で現在、3回目の通貨危機が指摘されている。

通貨危機とは、ドル資金流出に伴うウォン相場の急落である。すでに、1ドル=1,403ウォン(11月5日5時59分)である。危機ラインとされる1,200ウォンを大きく割り込んだ。

日本も円安が急速に進んだが「円危機」という言葉を聞かない。それは、根底に日本経済への信頼感があるからだ。韓国は、そういう信頼感のないことが最大の問題である。

韓国経済を揺るがしているのは、企業と家計が過剰債務に陥っている点だ。

韓国の「借金癖」は、民族特有の問題でもある。この点については後で詳細に取り上げるが、韓国は借金と支払能力をバランスさせる感覚が根本的に欠如しているのである。

どうにもならない韓国の狂った「金銭感覚」であり、日本とは水と油の違いである。

Next: 通貨危機の裏に「借金癖」。1人あたりの金融純資産が極端に少ない

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