3. 自分の財産はどのように処分するのか?
次に、ひとり暮らしの人が亡くなった時に、その財産はどのように処分するのか、生涯ひとり暮らしをすると決めたAさんを例にみてきます。
<ひとり暮らしの人の相続>
Aさんの自分の財産は、自分の持ち物と言いかえることもできます。
Aさんが亡くなったあとの持ち物は、Aさんの親が生きていれば親が相続します。
すでに親が亡くなっていれば、Aさんの兄弟姉妹が相続します。
このAさんの親や兄弟姉妹のことを法定相続人といいます。
また、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その兄弟姉妹の子ども、つまりAさんの甥や姪が相続人となります。
この甥や姪のことを代襲相続人といいます。なお、Aさんの兄弟姉妹の孫は、代襲相続人にはなりません。
また、「遺贈(いぞう)」といって、Aさんが、生前に遺言書を書いて、法定相続人または法定相続人以外の特定の個人や地方自治体、NPO法人といった団体や法人に、Aさんの持ち物の一部、または全部をゆずることもできます。
相続をするにあたり、遺贈も含め、Aさんの持ち物の価値によって、もらった人が、相続税を納付することもあります。
<負の遺産になりかねない>
次に、Aさんが亡くなった場合に、Aさんの持ち物はどのようになるのか、具体的な状況をみていきます。
たとえば、Aさんが実家に住んでいて亡くなった場合は、
既に両親が亡くなっていれば、Aさんの兄弟姉妹が相続することになります。
すでに、兄弟姉妹がほかのところで、持ち家で住んでいれば、実家は、売却してその収益を兄弟姉妹で分けます。
しかし、だれも住まないで、空き家のままにしておいても、兄弟姉妹のうちのだれかに、固定資産税の納付通知が届くことになります。
また、Aさんが、兄弟姉妹のうちの家族と同居していて亡くなれば、相続の内容は変わってくるでしょう。
Aさんは、この実家のケース以外でも、単に持ち物を残していくだけではなく、何らかの対策をして、旅立たないと、負の遺産を残して亡くなったことに、なりかねないのです。
<自分のことは自分で決める>
つまり、Aさんは、生前に、自分の持ちものをどのようにするのかを、決めておくこと。またみずから処分しておくことも大切です。
たとえば、骨とう品や美術作品の収集家であれば、上述の遺贈するところのほかに、近くの博物館や美術館に寄付する。
また廃棄するのに、費用がかかるのであれば、自ら処分するか、その費用を、Aさんが亡くなったあとに、処分を依頼する人に託す。
「立つ鳥跡を濁さず」といわれるような、自分のことは自分で決める、行動計画を、ここは結構、時間も費用も掛かるようですので、老後の生活に入る前から準備しておいた方がいいでしょう。
<ひとりですべてのことはできない>
とはいっても、ひとりですべてのことはできません。
従って、老後の生活を始める前から、兄弟姉妹や親戚、縁者に、または信託が委託できる個人や法人に、Aさんの後見人になってもらうことを、決めておくことが大事です。
後見人になってもらうには、それ相応の費用が必要になるかもしれません。
しかし、その負担以上に信頼できる後見人がいれば、安心したひとりくらいができることでしょう。
ひとり暮らしは、自分の意思で、大方のことが選択できます。というより、しなくてはならないのです。
『
【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ
【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ
』(2022年4月6日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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