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小麦の国際価格急低下、恩恵を受ける日本企業5社とは?食料インフレに一段落の兆しも=田嶋智太郎

日清食品HD<2897>

言わずと知れた、即席麺メーカー最大手。カップ麺は06年明星食品子会社化で国内シェア5割超。袋麺も首位級。国内は即席麺増勢だが日清、明星とも原料高はきつい。ただし、海外は米州が値上げに加えて高単価品を伸ばして収益を大きく牽引している。

2023年3月1日納品分からチルド麺の希望小売価格を7~17%、冷凍麺の出荷価格を6~20%引き上げる。チルド麺・冷凍麺の値上げは22年3月以来となる。

23年3月期は、売上高が前期比4.4%増の5,950億円、営業利益は同6.2%増の495億円、純利益は同6.8%減の330億円を見込んでいる。24年3月期も海外を軸に利益を牽引。原料高こなして営業増益基調が続くと見られる。

日清食品ホールディングス<2897> 日足(SBI証券提供)

日清食品ホールディングス<2897> 日足(SBI証券提供)

株価は目先調整含みとなっているが、26週移動平均線を再びクリアに上抜ける動きになってくると、あらためて1万1,000処を試す展開になると見られる。

山崎製パン<2212>

製パン業界で国内シェア4割のトップ。国内各地に工場を展開し、食パン、菓子パン、和・洋菓子などを製造・販売。コンビニエンスストアのデイリーヤマザキも手がける。

菓子パンは数量減でも値上げ浸透、主力品軸に牽引。食パンも単価伸長。コンビニ赤字減る昨年1月と7月に食パンを値上げ。低・中価格帯の商品も展開して需要を取り込む。

また「ランチパック」のピーナッツ、たまご、ツナマヨネーズの主力3商品を2月1日出荷分から値上げする。薄皮つぶあんぱんなど「薄皮シリーズ」の7商品は1月1日出荷分から価格を変更せず内容量を5個から4個に減らす「実質値上げ」となった。

山崎製パン<2212> 日足(SBI証券提供)

山崎製パン<2212> 日足(SBI証券提供)

22年12月期の営業利益は前期比30.7%増の240億円、純利益は同15.6%増の120億円を見込んでいる。株価は一目均衡表の週足「雲」の下方で推移しており、1,500円処の水準は底値圏にあるとの印象。23年12月期は値上げ効果がフルに寄与すると期待されており、2月14日の前期決算発表時に示される今期予想が楽しみである。

Next: まだある小麦価格の落ち着きで業績アップが見込める日本企業

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