Q3:その企業の製品・サービスは20年後も陳腐化していないか
もちろん、陳腐化している可能性はあります。技術の側面から見れば、刻一刻と変化しており、非常に変化の速い分野です。
しかし、iPhoneの売りは、機能というより、ブランド力とデザインです。
ブランド力とデザインは、そう簡単に落ち込みません。20年後も陳腐化していないと考えていいのではないでしょうか?
Q4:その企業はコングロマリットか
ITとデザインに特化しており、まったくコングロマリットではありません。
Q5:その企業の1株当たり利益(EPS)は安定成長しているか
決算年 | EPS(円/株) |
---|---|
2016 | 8.988 |
2015 | 8.088 |
2014 | 5.98 |
2013 | 5.985 |
2012 | 5.858 |
2011 | 2.997 |
2010 | 1.683 |
2009 | 1.165 |
2008 | 0.6926 |
2007 | 0.4524 |
年平均EPS成長率:34.8%
うわ…正直こんな企業ありません(笑)こういう化け物級の企業は久々に見ましたね。
キングダムでいう王騎、幽遊白書でいう雷禅、スラムダンクでいう河田…といった感じでしょう。素晴らしい成長率です。
Q6:その企業は安定的に高いROE(株主資本利益率)をあげているか
決算年 | ROE |
---|---|
2016 | 40.05% |
2015 | 39.51% |
2014 | 29.82% |
2013 | 33.32% |
2012 | 48.27% |
2011 | 39.68% |
2010 | 34.44% |
2009 | 34.37% |
2008 | 28.96% |
2007 | 27.08% |
平均ROE:35.6%
こちらも素晴らしいですね。安定して高いROEです。稼いだ資本は、しっかりとROEの維持に回されていますね。
Q7:その企業は強固な財務基盤を有しているか
財務基盤を見る際は、自己資本率が良く使われますが、それはバフェット的にはNGです。長期債務に対して、どれだけ稼ぐ力を持っているかが重要と考えています。
長期借入金はかなりありますね。79.87bilあります。
2013年までは全くなかったわけですが、かなり増えましたね。ただし、アップルの純利益は50.68bilあり、問題はありません。
1.57年で完済できます。
Q8:その企業は自社株買い戻しに積極的か
自社保有株式は、発行していないとみなしています。
今期発行済み株数 | 5.477bil |
10年前の発行済み株数 | 5.944bil |
過去10年間に減少した株数 | 0.467bil |
減少した割合(%) | 7.8 |
悪くはありませんね。ただし、ジョブスが亡くなって以降のアップルは、自社株買戻しに積極的です。
2013年3月30日の6.581bilを頂点として、現在の2016年4月6日時点で、5.477bilとなっています。
つまり、3年間で1.104bilもの自社株買戻しをおこなっていることになります。1年間で0.368bilです。
もちろん、株価が上昇すれば、そううまく自社株買いはできないでしょうが、今のペースで継続して自社株買いをしていけば、10年後には発行済み株式は、5.477bil-3.68bil=1.797bilとなります。
アップルの純利益はTTM(直近の四半期決算と過去3つの四半期決算)で見ると、50.68bilでした。
アップル株は現在、95ドルなので、現在の買い戻しを維持するには、95$×0.368bil=約35bil稼ぎ続ければ継続できます。
アップルが自社株買戻しをするというニュースは当時大きな話題となりましたが、これまでジョブスが稼いだお金で自社株買戻しをするというよりは、年間で稼げる利益の範囲で自社株買戻しを行えていることを示しています。
今後も続けていきそうですね。
Q9:その企業の製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか
維持できていますね。正直、iPhoneは原材料費の高騰を理由に値上げしても許される商品でしょう。