大盛り上がりの『WBC』効果で日本のプロ野球もさぞ潤うのかと思いきや、全体としてのチケット代・スポンサー契約料・放映権料・グッズの肖像権料などの総収入は、いったん総元締めの懐に入り、その後おもむろに分配金が各国に支給される構造となっています。つまり、過去の配分を勘案すると、今回も日本には十数パーセントどまりの分配金しか見込めない状況になっているようです。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)
日本中が『WBC』に熱狂
東京五輪の凄まじい汚職事件を経てすっかりスポーツイベントの開催に辟易とする時間が続いたわけですが、それを一気に払拭することになったのが、この春の『WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)』の開催ということになりました。
ダルビッシュ有選手が宮崎合宿に参加して以降、大谷翔平選手の来日と強化試合2試合開催をきっかけとして、WBCに対する市場の認知理解が急激に進むこととなり、日本で開催された第1ラウンドは驚くほどの盛り上がりを見せました。
テレビの視聴率も爆上げ、グッズもばか売れの状況ですから、今年は「侍ジャパン」を運営する日本プロ野球(NPB)もさぞやご満悦の状況でしょう…と思いきや、どうもそうでもないことが伝わる状況になってきています。
東京五輪の中抜き案件をはるかに上回る「WBCI」のぶったくり
今回のWBCの国内第1次ラウンドの4試合には、大人の事情なのか、電通が関わっていることは公表されてはいません。
それでも過去の経緯から言えば関与は間違いない状況で、10社近くのスポンサーも付いて、「カーネクスト」という見慣れぬ中古車買い取り企業が冠スポンサーとなっています。
国内での経済効果は、民間の調査機関の分析によると、ここまでの4試合だけでも600億円と試算されています。
とはいえ、東京五輪のように国内だけでIOCを差し置いて勝手に完結できる部分は相当限られている様子。
ローカルスポンサー収入はなんとか確保できても、全体としてのチケット代・スポンサー契約料・放映権料・グッズの肖像権料などの総収入は、いったん総元締めの懐に入り、その後おもむろに分配金が各国に支給される構造となっています。
過去の配分を勘案すると、今回も日本には十数パーセントどまりの分配金しか見込めない状況になっているようです。
世界的な中抜きの名門企業を持ってしても、このアングロ・サクソンが積み上げた強固な組織である「WBCI(ワールド・ベースボール・クラック・インク)」のやらずぶったくりにはまったく歯が立たないことが窺われるところです。
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