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人手不足でも失業・困窮が減らぬワケ。企業はリスキリングした従業員を雇うよりも、人工知能やロボットに置き換える=鈴木傾城

日本政府は「リスキリング」と言うが、今後は人工知能が仕事をありったけ奪って、資格やら技術やら持った人間よりも人工知能の導入を好む企業の方が増えて、慢性的な失業者・困窮者が増える可能性の方が高いのではないか。そうなると、また税金を上げるのだろうか?(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

人工知能は人間がやっている仕事の多くを代替する

ChatGPTの勢いが止まらない。大量のテキストデータを学習した人工知能が、ユーザーの問いかけ(プロンプト)に対して「高い精度」で解答を示すこの人工知能は驚くべきスピードと深度で社会を変えつつある。

画像生成の人工知能が話題になったのは2022年だが、もはや次のイノベーションは、人工知能を中心に進んでいくという流れは完全に定着した。今後も、思いもよらない分野で人工知能が社会を変えていくだろう。

人工知能はインターネットのビッグデータを解析しながら、ありとあらゆる問題に解答を出す。

もちろん、今はまだ不完全な部分もあって、これによって人工知能に疑念を抱く人もいるのだが、ハイテク分野での技術革新というのは進化が急なので、あと数年もしたら今の疑念を超えるほどの精度を叩き出す可能性も指摘されている。

人工知能は、人間を超える能力を発揮して今まで人間が行っていた業務を軽減していく。人工知能で便利になる。しかし、「便利になる」で進化は止まるだけではない。「便利になる」以上の進化を見せるようになっていく。

その結果、何が起きるのか。

人工知能は、間違いなく人間がやっている仕事の多くを代替するのだ。今後、こうした動きはより鮮明化するようになっていく。

オックスフォード大学の調査では「10〜20年後に49%の職業が消える」と言っているのだが、今の爆発的な進化を見ていると、10年も時間は要らないのではないかとも思わせるほどだ。

企業は手間もコストもかかる人間よりも人工知能の方を好む

これまで人工知能は創作や表現や芸術の分野には進出できないだろうと思われていたのだが、すでに人工知能は言葉(プロンプト)を与えれば絵も描くし、音楽も作るし、作詞もするし、小説も書く。

クリエーターがやってきたことを代替する。

これまで人工知能は、小売店販売員、レジ、会計士、一般事務、セールスマン、一般秘書、積み降ろし等の作業員、コールセンターの案内、ビル管理人……と、自動化の技術が発展している分野、繰り返し的なタスクやデータ入力作業などの仕事を代替すると言われていた。

まさか表現の分野の仕事まで奪ってしまうとは多くのクリエーターは想定もしていなかったのではないだろうか。

今後、人工知能は単純作業しかできなかったロボットにも搭載されていくが、人工知能とロボットが結びつくと、ますます人間の仕事が人間ではない存在に置き換えられるだろう。

端的に言えば、ありとあらゆる職業が人工知能とロボットに奪われていく。「癒しの分野はさすがに人工知能では置き換えられないだろう」と言われているが、数年経ったらまた違う光景もあるかもしれない。

今、日本政府は「リスキリング」とか言っているが、人工知能が仕事をありったけ奪ってしまって、資格やら技術やら持った人間よりも人工知能の導入を好む企業の方が増えて、慢性的な失業者・困窮者が増える可能性の方が高いのではないか?

どう考えても、企業は手間もコストもかかる人間よりも人工知能の方を好むだろう。そうした方がコスト的にも仕事的にも効率が上がるからだ。つまるところ、人工知能が進出できる分野では、人間を雇うインセンティブがない。

Next: 人間を雇う必要がなくなる?企業の目的は常に利益を増大させること

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