どう転んでも最終的には上!今夜の想定は1ドル=143.50〜144.80円
雇用統計以外の数字を見る限り、米国の経済はまずまず堅調ですから、利上げが嫌気されている今の市場状況を踏まえると、予想を下回るやや弱めの結果というのがドル円・クロス円の押し上げに寄与しそうです。
強かったら強かったで金利上昇からのドル高にはなりますが、株価が上昇を見せない限りは上値も限定的でしょう。
1ドル=144〜145円前後では本邦政府筋からも口先介入が幾度となく行われており、ここを上回っていくハードルはやや高くなっていることは意識しておきたいですね。
非農業部門雇用者数のコンセンサス予想は+22.5万人増となっていますが、+10〜30万人程度なら引き続き県庁という見方になるでしょう。マイナスにでも落ち込まない限りはサプライズではないので、特段どうこうということはありません。予想を上回ってくれば、発表直後は上昇するでしょうが、基本的には全戻しの行って来い想定。
注目の平均時給のコンセンサス予想は前月比+0.3%・前年比+4.2%となっており、前回5月分(+0.3%・+4.3%)と比べても減速感はなく、強めの想定となっています。やはりこれが予想を下回ってこない限りは、市場の緊張感も緩和されないので、予想並だと上値は重たいでしょう。
前月比でマイナスになってしまうとドル安が意識されますが、+0.0〜+0.1%ぐらいにおさまるのであれば、インフレ後退からの株高によるリスクオン(選好)の円安で、ドル円もクロス円も押し上げられやすいか。非農業部門雇用者数が予想並で平均時給が予想を下回ってきた場合は、ポンド円などのクロス円をロングするのが良さそうです。
日銀がぼっち緩和を継続していることで、極端な円高にはなりにくい環境を踏まえると、やはりトレードとしてはロング・押し目買いという戦略にはなります。
ドル円であれば、143.50〜143.80円は非常に強めのサポートを形成していますから、今の144円割れの水準からロングして、あとは結果を見てどうかという話ですね。
理想的な数字、株高にならない限り145円台を目指していくのは厳しいでしょうが、雇用統計が強ければ強かったで、結局は日米金利差拡大からのドル円上昇という方向にはなりますし、よほど弱くない限りは利上げも継続するということで、ドル円・クロス円の方向は上ですからね。
結論としては、1ドル=143.50〜144.80円レベルのレンジを意識して押し目買い・ロングで入っていくのが良いでしょう。
また、弱めの数字が出た場合はドル安で、株価が上がっていくなら円安になりますから、この場合はクロス円、特にポンド円のロングを狙っていくと良いと思います。現在183円前半レベルですが、186~187円ぐらいまでは上値余地がありますので、183円台からなら追っかけても良さそうです。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2023年7月7日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による