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次世代「量子技術」で二流国に堕ちる韓国、復活する日本。盗めない最先端技術に国力の差=勝又壽良

「量子技術」が世界を動かす時代になった。日本が、技術大国でもある米国とともにその最前線に立てたのは、ビッグチャンスと言うほかない。日本のコンピューター開発技術と半導体技術が重なり合って、日本は量子技術の最前線に構えている。技術が身を立てると言われるごとく、日本に再起のチャンスがめぐってきたようだ。(『 勝又壽良の経済時評 勝又壽良の経済時評 』勝又壽良)

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プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。

33年ぶりに浮上する日本経済

日本の株式市場が活況を呈し、33年ぶりに高値となって世界の注目を集めている。この状態は、単なる思惑取引がもたらした一時的な現象か。あるいは、日本自体が大きく生まれ変わろうとしている兆候を捉えた現象なのか。関心を呼ぶところとなっている。

このメルマガ このメルマガ で取り上げてきたように、日本が地政学リスクのないこと。また、日本の次世代半導体開発で世界企業が日本へ進出すること。日本企業は、国際的な「企業統治」へ移行していることなど、従来になかった要因が浮上したことで、世界的に日本評価を一変させたと見られる。平成バブル崩壊(1990年)から33年で、日本経済が再飛躍へ向けたポイントを迎えたことになろう。

日本は、少子高齢化で世界最初の人口減社会になった。その後、韓国や中国が同じ道を歩んでいる。日本では、一貫して人口動態の劣勢をいかに跳ね返すかを問い続けている。大方は、悲観的見方である。

だが、「量子技術」(量子コンピューター)という次世代技術の登場で、事態は一変している。日本は、社会と経済を根本的に変革するこの技術開発において、米国とともに世界最先端にあることが広く知られるようになった。これによって、日本の将来を明るい展望に変えたのだ。最近の株高の背景には、これが意識されているのであろう。

技術には、世界を変える威力がある。第二次世界大戦後、コンピューター・原子力・石油が世界経済地図を塗り替えた。現状は、いずれも推進力が低下している。この停滞状態を打ち破るのが、量子技術であり大きな期待が掛っている。

量子コンピューターは、スーパーコンピューターが1万年かかる演算をわずか3~4分で終えることができる「異次元」の技術である。日本が、今年3月に量子コンピューター1号機を稼働させたことは、日本衰退論を跳ね返す上で十分な材料になった。

韓国メディアの奢り極まり

韓国では、日本の株高現象に対して極めて冷ややかな見方が報じられている。『中央日報』(6月20日付コラム「日本経済を楽観できない理由」)から引用した。筆者は、現役の記者である。

1. 日本の致命的な点は、世界のIT革命に乗ることができない点だ。いまでもオフィスでファクスと印鑑を使い、官公庁や銀行ではフロッピーディスクで資料を保存する。クレジットカードを受け付けない店は珍しくない。

2. 企業ガバナンスにも弱点がある。オーナーではなく取締役会を中心にした意志決定構造では迅速果敢な投資をしにくい。

以下に、コメントをつけたい。

(1)筆者は、訪日経験がなさそうである。日本の実情を知らなすぎるのだ。クレジットカードが使えない店とは、田舎の駄菓子屋程度であって、都市の店舗ではあり得ない。ファックスと印鑑は、コロナ蔓延時期の保健所での話だ。日本でも話題になった。解決済みである。

(2)筆者は、企業ガバナンス(企業統治)を誤解している。韓国財閥は、出資と経営が「未分離」状態であって、前近代経営の典型例である。取締役会機能が死んでいるからだ。韓国株式が、海外投資家から敬遠されている理由になっている。自慢することでなく、是正すべき点である。

要するに、「韓国は、IT大国である。財閥トップが、役員会の意見も聞かず積極投資をしているので、日本より上である」としている。この奢りが、韓国に重大な問題を引き起こしている。それは、冒頭で取り上げた「量子技術」の開発が政府として未着手状態である。次世代技術だけに国家プロジェクトの性格を持つのだ。その初会議が、つい1週間前に開かれたほど遅れている。日本は2020年に、今後の量子技術開発を国家プロジェクトに取り上げて具体策を提言済みだ。23年3月には、量子コンピューター1号機が稼働した。

日本の現状と未来構図については、後で取り上げる。まずは、「IT大国」と胸を張る韓国の「量子技術」開発の立遅れぶりを取り上げたい。これが、韓国経済に大きな傷跡を残すことは間違いない。韓国メディアも、「二流国」を決定づけると報じているほどだ。現在のGDP世界10位のランクを維持できないという意味であろう。その可能性は、極めて大きい。

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