大企業や経団連の要望で作られた資本家優遇政策を列挙
<1986年導入「労働者派遣法」>
「中間搾取」「有期雇用」「間接雇用」の合法化で法人組織の労働者を「正規雇用」と「低賃金非正規雇用」に分割・差別化しました。
本来なら派遣労働者のほうに正社員よりも大幅に高額の賃金を支払うべきなのに、非正規を低賃金にして、さらに3割~4割のマージンを搾取する派遣会社を日本中にはびこらせました。この法律の導入も、もちろん大企業や経団連からの「人件費抑制」のための自民党への指令でした。
また、後述しますが、アメリカからの一方的な日本への内政干渉といえる「年次改革要望書」においても、労働者派遣の自由化が求められていたのです。
<1989年導入「消費税」>
これによって税率アップで、法人税率を次々と引き下げ、所得税率を大幅に緩和し、ただでさえ特例減税措置が沢山ある大企業を儲けさせ、内部留保を潤沢に増やさせました(所得税の最高税率は75%から45%に引き下げ)。
大企業と金持ちへの大優遇措置だったのです。
しかし、消費税率を上げる度に、消費を冷やし、景気の腰を折ってきたのが実態でした。
輸出大企業は下請けに払ってもいないはずの消費税の輸出還付金をたんまり得てきたのですから、消費税率アップには大賛成でした。
<1993年導入「外国人技能実習制度」>
劣悪環境で奴隷労働を外国人に強いる制度導入で、不当な低賃金労働者をどんどん国内に広げていきました。日本人への賃金低下圧力も甚大です。
今後も特定技能の資格を付与して、外国人の永住化や、事実上の移民政策を差別的に広げていくつもりなのが自民党なのです。大企業にとって、とても望ましい政策展開です。
<2003年導入「証券優遇税制」>
上場株式や公募株式投信の譲渡益や配当などにかかる税率を20%から10%に下げ、金持ち優遇策を強化しました。
さすがにやりすぎなので、2014年に20%に戻しましたが、1億円以上の年収のある人は、配当所得が多いので現行の一律20%の税率では、逆に所得税率の実質負担額は下がっていきます。
社会保険料の負担額も上限の100万円ですんでいるのが実態です。ゆえに大企業も富裕層も納得しています。
本来は消費税など廃止して「資産税」を導入すべきでしょう。1億円以上の資産を有する富裕層には相続税のほうを廃止してあげ、毎年払う「資産課税1%」程度の税率にしてあげたほうが、はるかに富裕層の生涯負担も少なくなるはずです。
それでいて税収増大効果は最も確実だからです。
<2015年導入「マイナンバー制度」+2016年からのカード交付・各種情報の紐付け>
マイナンバーカードの取得は任意のはずが、2024年秋には健康保険証の代替とすることで事実上の義務化を決めてしまいました。
ところが今では紐づけ情報の拙速措置のあまり、誤登録のオンパレードで大混乱を招いています。
このマイナンバーカードについて、大企業や経団連は行政と企業との情報処理効率化と社会保障の負担と給付の明確化を図ることでコスト削減に効果がある――としていますが、情報処理事業(地方公共団体情報システム機構)の受注(2013年度からの10年間で2810億円)によって、大企業8社が請け負う形においては、すでに大儲けしています。
……ざっと以上を見ていただいただけでも、多くの国民よりも大企業経営者や富裕層の優遇にばかり、日本の自民党政治は傾いてきたのが実態です。
野党もだらしないので、国民からの批判も盛り上がりませんでした。
大企業からの「政治献金」を許してきたから、こうなったのです。
ともあれ、「政治献金」は企業団体献金も、企業団体献金を偽装できる個人献金も、すべてを禁止すべきでしょう。
政党交付金導入時の公約を果たさずに(企業・団体献金はやめることを表明していた)、カネ、カネ、カネ、カネ……カネまみれの反日・売国・金権・世襲政党だったのが、自民党の実相だったのです。議員による利権の口利きも永遠に終わりません。
なにしろ、大企業からの献金は、ほとんどを自民党が独占しています。選挙の時だけ国民に「いい顔」をして、大企業・富裕層を大優遇する政策を打ち続けてきたのが自民党だったのです。
国民は、アベノミクスの大失敗もあって、極度の円安で物価が高騰し、貧乏になるばかりなのでした(アベノミクスの大失敗とその弊害については、以下の過去記事をご参照ください)。
さて、つづいて、アメリカ政府の言いなりで自民党が行ってきた政策についても見ておきましょう。
日本はとうてい自立した国民主権の独立国には見えないことがわかります。