「アメリカの言いなりの自民党のせいで日本はこんなに厳しい社会に変えられた」
以上の通り、米国の命令による日本の国内政策は、みなさまおなじみの「労働者派遣法」の制定や、小泉内閣の看板政策だった「郵政民営化」だけではありません。
独禁法改変や持株会社解禁もそうでした。
大店法(大規模小売店舗法)を廃止したのも、法科大学院や司法試験制度改変、保険業法の改変や建築基準法の改訂、健康保険本人3割負担導入、日本道路公団の分割民営化、新会社法での三角合併容認……などなど、次々と制度変更を行ってきたのですが、これらすべてが米国の命令(年次改革要望書)で行われてきたのです。日本は米国の属国なのです。
自民党は、米国に逆らうことなく、これらの政策を忠実に実行に移してきただけの政党だったのです。
つまり、自民党政権の実体は、アメリカによる日本支配を完遂する米国の傀儡(かいらい)政権にすぎない――といえるわけです。
独禁法や持株会社解禁で、M&A(企業の合併・買収)が盛んになり、子会社の切り売りや子会社従業員の賃下げがしやすくなってしまいました(子会社は持株親会社への団体交渉権がない)。
巨大化した持株会社は寡占・独占化しやすく、市場の効率的な弱肉強食化が図られます。まさしく「新自由主義」の実践なのです。アメリカの大資本が国内市場へ入りやすくなります。
司法試験制度改変では、弁護士を大量輩出し、アメリカ並みの訴訟社会にして、権利の主張がバンバン行われる強欲な「自由」と「民主主義」の風潮を実現させる形となっています。
つまりは、米国企業が日本の弁護士を安く使えるようにするのが目的でした。
大店法廃止では、中小小売店への保護がなくなり、商店街を疲弊させて、日本全国にシャッター通り商店街を拡げました。
新会社法による三角合併の解禁は、株式時価総額が巨大な米国企業が、容易に日本の大企業を株式交換で飲み込みやすくする制度変更でした。
また、保険販売においても、当初から日本の保険会社は「ガン保険」の販売が一切禁止されていました。これによって、日本でのガン保険は米国保険会社の独壇場になっています。
こうした「年次改革要望書」に記された米国の要望とは、アメリカ社会の「新自由主義」「強欲資本主義」「弱肉強食」の論理を日本にも普及させたい――という米国の国益を図るための要求にすぎません。
「構造改革」だの「規制改革」だのといった言説のもとに、日本の古き良き社会制度や慣習がどんどん廃止させられ、「自己責任」が中心のアメリカ型・弱肉強食化がすすむ一方なのです。
現在ではさらに、ホワイトカラーエグゼンプション(少々の年収アップだけで残業代廃止と労働時間規制撤廃)の導入までも米国は日本に求めてきています。
少ない報酬で、過労死しようが自己責任という悪魔の雇用制度を作らせよう――というのが米国の狙いなのです。
……以上、駆け足でざっくりと見てきましたが、自民党という政権がいかにひどいものであったか――ということが、十分おわかりいただけたのではないでしょうか。
それなのになぜ、日本国民のみなさんは、大した批判もなく、こんな自民党を支持するのでしょうか。
なにしろ、国民の3人に1人は自民党支持なのですから、ホントに驚いてしまうのです。
もちろん、まともな野党がないから、自民党に票を入れるしかないんだよ――という大向こうから聞こえてくる声を筆者も否定するものではありません。
消極的な自民党支持――という人も少なくないのでしょう。
しかし、せめて自民党とその亜流となってきた日本維新の会や国民民主党といった、変な方向を向き始めた政党も、まともな野党に立ち返らせるべく、自民党はとにかく、いったん退場に追い込むべきではないでしょうか。
そうすれば、これらの野党の政策も大幅に変わってくるはずだからです。
とにかく一度、自民党のこれまでの政策を、ほとんどすべて否定しないと始まらないのです。
国政においては、たしかにロクでもない野党だらけですが、少なくとも自民党と代わり映えのしない「ゆとう(与党でも野党でもない)」はいらないでしょう。
自民党が選挙でボロ負けし、国民も目覚めさえすれば、「ゆとう」も健全野党に立ち返ることが期待できるでしょう。
近年では、労働者組織の「連合」までもが、自民党寄り――と指摘され始めたのですから首を傾げざるをえないのです。
いったいどうなっているのでしょう。
大丈夫か、ニッポンーーと声を大にして筆者は訴えたいのです。
皆さん、選挙には必ず行きましょう。
国民の多くは大企業に勤めているわけでもなく、アメリカの軍需産業の味方でもないはずです。
自民党のやってきた反日・売国・亡国政策をやめさせるチカラを国民全員で出していきましょう。
厳しい経済環境を、国民ひとりひとりのための豊かな経済環境へと変えていきましょう。
そのためには、せめて国民の9割が選挙に行き、まともになってほしいと、あなたが信じる野党に入れる他ないわけです。 ※本記事は、神樹兵輔氏のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』2023年8月14日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読を ※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
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神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!
』(2023年8月14日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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1990年のバブル崩壊から続く「失われた30年」を経て、ニッポン国の衰退ぶりは鮮明です。デフレ下でGDPは伸びず、賃金は上がらず、少子高齢化で人口は減り、貧富の格差も広がりました。いったいどうしてこんなことになったのでしょう。政治、経済、社会、マネーや投資に瑕疵があったのは否めません。本メルマガは、そうした諸分野に潜む「闇」を炙り出しグイグイえぐっていこうとするものです。