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中小企業は人手不足、大企業はリストラ…なぜ日本のサラリーマンは悲惨なのか?搾取され続ける人生から抜け出す方法=神樹兵輔

労働者は「労働力」をお金に代えるだけという哀しい現実

フランスの新進気鋭の経済学者トマ・ピケティが2013年に著した世界的ベストセラー「21世紀の資本」で喝破した通り、資本主義社会は「r>g」の不等式が支配しているからです。

すなわち「r」が資本収益率(純資産の成長率)であり、「g」の国民所得の成長率(GDP)よりも、つねに「大きい」からなのです。

「r=g」となるなら、資本の収益率も国民所得の成長率も同じですから、国民所得に占める労働所得の分配率も一定になって、問題はありません。

しかし、現実は「r>g」なので、格差も大きくなり、不平等が広がるのです。貧富の差は拡大し、資本家はますます資本を増やし、労働者はカツカツの生活と人生を強いられます。

自らの労働力を売るだけのサラリーマンでは、現役時代を終えて老後になると、収入がなくなるわけなので、当然と言えば当然の結末なのです。

ゆえにサラリーマンのままでは、一生裕福にはなれず、資本を転がす資本家の人のほうが裕福になりやすい――というわけです。

「いい学校を出て」「いい会社に入る」と「幸せで安定的な人生が手に入る」というセオリーが、いかに幻想かがわかるでしょう。

小規模事業の「大廃業時代」ゆえに面白い人生の選択肢が登場

ところで、前述した、いくつかの「お金持ちになれるコース」では、いずれもが難しいコースになりますが、実はこれらの方法以外にも、近年お金持ちになれる道が、新しく生まれてきているのです。

それが「小規模な黒字事業の事業継承」です。

なぜなら、今や日本中の「中小零細事業が大廃業時代」を迎えようとしているからなのです。もうお気づきでしょうが、「M&A」というのが近年ものすごく活発に行われるようになっているのです。

「M&A」とは「買収・合併」のことですが、かつては大きな企業同士のモノと考えられていましたが、近年は大きく様相を異にしています。なんと、今までは企業同士のM&Aを指したのが、近年はサラリーマンという個人の立場でもM&Aに乗り出す人が増えているからなのです。

その理由は、意外に少ない金額で事業そのものを買えることが注目されているからです。当然ですが、300万~500万円といった、極めて少ない金額で事業そのものが買えるのは、事業規模が小さいからに他なりません。

一生サラリーマンのままでは老後資金に不安があるのと、ましてや40代~50代になると、役職定年や給料減額が視野に入ってきます。こうしたことを考えると、定年までにひと稼ぎして老後資金を確保したい思いと、自分の実力を発揮できる経営者の立場に憧れる人も少なくないわけです。

そうした人たちが、「個人M&A」に乗り出して、事業経営者になる人が増えている――といった現状があるのです。

Next: M&Aの仲介企業も急成長。サラリーマンを辞める人が増えている

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