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サントリー、国産高級ウイスキーを2倍強の値上げ。投資目的での購入も増え庶民には高嶺の花と化す反面「不買中だから関係なし」との声も多数

サントリーが「山崎 25年」や「響 30年」といった国産プレミアムウイスキーを、最大2倍強に値上げすると発表したことが、大きな反響を呼んでいるようだ。

上げの実施日は2024年4月1日出荷分で、例えば「響 30年」700mlの希望小売価格(税別)は16万円から36万円に。さらに「山崎 25年」「白州 25年」も同じく16万円から36万円となるなど、同社プレミアムウイスキーにおける価格改定の対象品目数は、5ブランド19品目に及ぶという。

同社のリリースによれば、今回の価格改定について「さらなるブランド価値向上を目的とした、中味品質の向上、生産設備の強化や環境に配慮したものづくりなどを行うため」としている。

「山崎25年」は一時200万円まで市場価格が高騰

ただでさえ「高嶺の花」といったイメージが強い「響」や「山崎」といった国産高級ウイスキーなのだが、それがさらなる大幅値上げということで、SNS上ではため息ばかりが漏れるといった状況となっている今回の件。

ただ、そもそもこの手の高級ウイスキーといえば、生産数自体が極めて少ないため入手が非常に困難であるうえに、近年ではジャパニーズウイスキーに対する世界的な注目度のアップ、さらにはコロナ禍による生活様式の変化も影響し、今では希望小売価格をはるかに上回る流通価格で売買されているのが実際のところ。

たとえば「響 30年」の場合、ネットショップだと一時期100万円近い価格が付いていたほか、また「山崎 25年」に至っては約200万円まで高騰していたこともあったようだ。

それだけに今回の値上げは、いわば世間におけるリアルな価値に、メーカー側による希望小売価格がわずかばかりであるが近づいた……といった捉え方もできそうである。

しかしながら、ここまで価格が高騰してしまった昨今の国産高級ウイスキーに対して、もはや飲むものでなく投資の対象……といった声もあがっているところなのだが、実際のところ投資目的でウイスキーを購入する動きは、このところかなり増えている模様。

つい先日には、60年間熟成された末に1986年に瓶詰めされたという、英スコッチウイスキーの「ザ・マッカラン1926」が競売にかけられ、218万7,500ポンド(約4億1,000万円)という高値で落札されたといったもあり、そういった投資対象としてのウイスキー人気も、価格高騰の一因となっているようである。

角瓶は品薄、トリスも税込1,000円の壁を突破へ

とはいえ高級ウイスキーもここまで価格が高騰するとなると、たまにバーなどで舐める程度に飲むにしても、とんでもない価格設定となりそうということで、庶民にとっては高嶺の花どころか、すっかり手の届かない存在になってしまった感が。

しかし「それじゃぁ、角瓶で我慢するか」といっても、その角瓶は角瓶で韓国を中心とした海外での需要がかなり高まっている状況で、その影響もあってか日本国内での品薄状態が、かなり長期にわたって続いているところ。

【関連】ハイボールブームの韓国でサントリー「角瓶」が極度の品薄に。水際対策の緩和による爆買い勢の来日で品薄が“飛び火”するのを恐れる声も

このように角瓶すら最近では手に入りにくいとなると、よりグレードを下げ庶民派価格のトリスあたりで……という流れになりそうだが、実はトリスに関しても、上記の国産高級ウイスキーと同じタイミングで値上げすることが決まっており、700mlのものが新たに990円(税別)に値上げと、ついに税込1,000円の壁を超えてくるようなのだ。

最近のサントリーといえば、同社社長で経済同友会代表幹事も務める新浪剛史氏が、最近では「国民皆保険制度」廃止を提唱するような一連の発言、さらにジャニーズ事務所問題にも偉そうに口を差し挟むなど、その舌禍キャラぶりが改めてクローズアップされており、SNS上では不買運動も展開されるほどの嫌われようとなっているところ。

それゆえ今回の大幅値上げに関しても、一部からは「不買中だから関係ない」との声も多くあがっているのだが、そうでなくとも一般庶民にとっては今後、サントリーのウイスキーが徐々に縁遠いものとなっていくといった状況となっていきそうである。

Next: 「需要が高まれば値上げする一択」

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