DeNA<2432>は多くの人から認知を得ている企業です。プロ野球球団を保有し、会長の南場智子氏は著書『不格好経営』などでも有名です。しかし、DeNAは、投資対象として話題に上がることは多くありません。マネー雑誌や投資インフルエンサーもあまり取り上げない企業です。また、株価の推移を見ると、成長している様子はありません。今回は「DeNAの株価はなぜ上がらないのか?」について、事業内容に注目して解説します。ここから株価が上がるチャンスがあるのでしょうか、または投資しない方がいいのか?詳しく分析していきます。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』佐々木悠)
プロフィール:佐々木悠(ささき はるか)
1996年、宮城県生まれ。東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。前職では投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。2022年につばめ投資顧問へ入社。
DeNAは何をしている企業?
まずは業績の推移を見てみましょう。株価と同じように、成長している様子はみられません。
そもそもDeNAは何をしている企業なのでしょうか?
「なんとなくインターネット系?でもスポーツがあるよな」…
実は、DeNAの主力事業は、ゲームです。2013年ごろの業績が好調でしたが、これは日本におけるスマホの普及とともに、「モバゲー」による収入が増えたためです。現在はPocochaなどのライブストリーミング事業や、医療DXを手がけるヘルスケア事業があります。
出典:2023年3月期 決算短信より作成
しかし、セグメント利益の推移を見ると、2013年と比較してゲーム事業の利益が減少していることがわかります。このゲーム事業の不振が全体の業績に悪影響を与えていると考えられます。
(各セグメント利益額は、セグメント変更履歴を参考に手を加えています。)
参考:各年度決算短信より作成
では、なぜゲーム事業の利益は縮小しているのでしょうか?