なぜゲーム事業の利益が縮小?
そもそも、DeNAの主力タイトルをご存知でしょうか?
それは「ポケモンマスターズ EX」です(正直私は知りませんでした)。DeNAは任天堂と資本業務提携を行っているため、ポケモンのキャラクターを利用できるのです。
出典:DeNA ゲームタイトル一覧
このゲームは2019年にリリースされました。しかし、リリース当初はゲーム内のバグや運営面でのトラブルが相次いだほか、コンテンツ量も十分ではありませんでした。結果、配信直後からセールスランキングで落ち込みました。
その他にカードゲームが元である「デュエル・マスターズ プレイス」も、緊急メンテナンスが立て続けに発生し、ヒットが出ない中での相次ぐトラブルに見舞われた過去があります。
任天堂との関係を活かし、「スーパーマリオラン」や「どうぶつの森ポケットキャンプ」を展開し、一定のヒットにつながっているものの、収益源の柱になるようなタイトルとはなっていません。
ゲームに対する熱意が足りない?
なぜこのような状況なのでしょうか?
スマホゲームを開発する競合他社と比較してみます。
まず年間のゲーム開発本数です。
DeNAは年間3本、サイバーエージェントは年間10本、ガンホーは年間5本です。
(サイバーエージェントとガンホーはSwitchやPS4向けも含む)
DeNAは競合他社と比較して、ゲームのリリース本数が少ないことがわかります。
また、ゲームには多額の研究開発費を投じる必要があります。しかし売上高研究開発費率を見ると、DeNAが低い水準です。
DeNAが0.6%、サイバーエージェントが1.4%、ガンホーが2.0%です。
(実際にはゲーム以外の研究開発費も含まれていますが、各社の有価証券報告書を見ると、その投資先は主にゲームの開発費であることがわかります)
出典:各社有価証券報告書より作成
これらの情報から、DeNAは必ずしもゲーム開発に積極的ではないのではないか?と考えられます。
自己資本比率(63%)を考えても財務的な余裕はありそうです。それでも、ゲームに熱意を持って開発しない・投資しない理由は何でしょうか?