サンリオ<8136>の株価が24年3月末に株価約3,100円をつけてから、ズルズルと下落しています。24年5月現在は3月末から25%安の2,400円前後で推移しています。Yahoo!掲示板にはサンリオのキャラクターである「ルルちゃん(るんるんルル)がいれば大丈夫。サンリオは上がる」というコメントがありました(笑ってしまいました)。では、本当にサンリオは大丈夫なのでしょうか?今回は詳しく分析し、ビジネスの特徴と企業の中身を解き明かしていきます。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』佐々木悠)
プロフィール:佐々木悠(ささき はるか)
1996年、宮城県生まれ。東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。前職では投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。2022年につばめ投資顧問へ入社。
サンリオって何をしている会社?

サンリオ<8136>週足(SBI証券提供)
サンリオは歴史ある会社です。1960年にギフト商品の製造、販売業務を祖業として会社を設立しました。
サンリオといえば、ハローキティ、ポムポムプリン、マイメロディなど、数多くの人気キャラクターがあります。
出典:サンリオ キャラクター紹介
これらのキャラクターを軸として、主に4つの事業を行っています。
出典:決算説明資料
物販ビジネスはギフト商品の企画・販売、直営店・百貨店のサンリオショップや量販店・専門店への卸売、Eコマース等です。つまりグッズ販売による収益です。
ライセンスビジネスは著作権の許諾・管理、キャラクター使用許諾です。例えば、GUやadidasがキティちゃんグッズを販売する際にサンリオに支払う料金です。言い換えれば「キャラクター使用料」と言えるでしょう。
テーマパークビジネスにはサンリオピューロランド(東京都)、ハーモニーランド(大分県)などの入場チケット代金が含まれます。
新規ビジネスは、バーチャル音楽フェスや英語の知育玩具など様々な事業を営んでいます。こういったキャラクタービジネスは、市場全体が成長しています。

出典:矢野経済研究所
特に、近年はコロナ禍の巣ごもり需要を背景にプラモデルやフィギュアが好調な売れ行きを示したこと、アニメ視聴の機会増によりアニメキャラクターの起用が活発になったことで好調に推移しています。
IP(インテレクチュアルプロパティ/知的財産)収益のランキングでは、ハローキティが2位につけています。これは、日本のみならず世界のkawaii文化の象徴となっており、世界中の多くの人に受け入れられている証拠と言えるでしょう。
出典:IP MAG
サンリオのビジネスをもう少し詳しく見てみましょう。