日本国内で会員制倉庫型卸売・小売のコストコを展開しているコストコホールセールジャパンが、今年の5月更新分から年会費を値上げするとの報道に波紋が広がっている。
報道によれば、ゴールドスター会員(個人)が4,840円から5,280円、ビジネス会員(法人)が4,235円から5,280円、ビジネス追加会員が3,850円から5,280円、エグゼクティブ会員が9,900円から1万560円(価格はすべて税込)にそれぞれ値上げされるとのこと。実施日は5月1日で、更新月が2025年5月以降の会員に新しい年会費が適用される。
コストコホールセールジャパンは今回の年会費値上げについて「会員の皆様よりお預かりしている年会費は、できる限りの低価格にて商品やサービスをご提供することを可能にしています。今後も会員の皆様にご提供する商品とサービスの質と価値を高めていくため、年会費を改定させていただきます」と説明している。
2016年以来となる値上げに
1999年に福岡県内にオープンした久山店を皮切りに、現在では日本国内に36店舗の倉庫店を展開しているコストコ。
今後も、今年4月には山梨県南アルプス市に南アルプス倉庫店(仮称)がオープンする予定のコストコなのだが、いっぽうで三重県亀山市に2024年内に開店予定だった新店舗は、折からの物価高による建設コスト増大の影響で、開業は2026年までズレ込みそうだと報じられている。
日用品から食品までとにかく大容量な商品が並ぶ同店は、そのコスパの良さもさることながら、どことなく海外で買い物をしているような気分も楽しめる点も、人気の高さの秘訣なのだが、さらに近年では、一部店舗に併設されているガソリンスタンドが、一般的なガソスタの給油価格が高騰するなか、かなりリーズナブルな価格設定であるということで、近隣に住むドライバーが大挙して訪れる状況となっているようだ。
しかしその反面で、昨年の沖縄南城倉庫店オープン時にも取沙汰された、いわゆる“コストコ渋滞”による周辺地域の交通麻痺の発生、さらに高時給で求人を行うことによる各地域の賃金相場の“破壊”も大きな話題となるなど、功罪両面で注目が集まることが多いチェーンである。
そんななかで報じられた年会費の値上げのニュースだが、日本国内のコストコにおいては、2016年9月に実施されて以来、今回が2度目の価格改定に。
ちなみに、その2016年9月以前のゴールドスター会員の年会費は税抜4,000円で、当時の消費税8%を乗せれば4,320円ということで、この10年足らずでかなりの値上げとなっている格好だ。
「更新するかどうか……」悩む声も
ここ数年は物価高の状況が長らく続き、世間ももはや値上げには慣れっこになっているだけに、今回の値上げに関してもヘビーユーザーの間からは「仕方ない」といった、寛容的な意見が多い反面で、「次から更新するかどうか……」と悩む声があがるなど、その反応は様々といったところ。
そんなコストコといえば、つい最近もSNS上で大いにバズったのが「コストコは金持ちの節約ごっこ」というフレーズだ。
コストコは金持ちの節約ごっこ
— 淫獣 (@tokumei__222) January 25, 2025
世間では“高コスパ”だと称されるコストコだが、それはやはり大量購入することが大前提であり、そのため一回の会計が余裕で万単位の支払いとなるなど、思った以上に出費が嵩むというのは、いわば“コストコあるある”のひとつ。
また大量購入した食品の保管には、それなりの大きさの冷蔵庫が必要不可欠だということもあり、よっぽどの大家族でもない限り、わざわざ年会費を払ってまでコストコに行くよりも、近場のスーパーでこまめに買ったほうが、結局は安上がりでは? 最近じゃぁロピア、ラ・ムー、さらには業務スーパーなどといった格安スーパーも増えてるし……ということで、まさに言い得て妙だと、このフレーズに共感する者も多かったというのだ。
もちろん「ガソリンが安いから年会費はすぐペイできる」「あそこは一種のテーマパークだから」などといった反論もあるわけだが、とはいえ何らかの機会に一度は会員登録をしたものの、実際の利用頻度はさほど多くない……といった向きがそこそこ多いのが実際のよう。そういった層にとっては、今回の年会費値上げを受けて、果たして更新べきか否かで大いに悩むこととなりそうだ。
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