当マガジンは日経平均の妥当な水準として統計的処理で求めた理論株価をもとに、足元の相場の位置づけを評価する材料を提供するものです。原則として日経平均と理論株価の位置関係を示すグラフと表に若干のコメントを合せて毎週1回配信いたします。皆様のより良い投資成果のための一助にして頂ければ幸いです。
※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。(『投資の視点』日暮昭)
筆者プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。
日経平均株価、6/29大引け時点の理論株価は1万6880円に
日経平均はじわじわ回復の兆し
6月23日のイギリスのEU離脱に関する国民投票で離脱派が多数を得たことで24日の株式市場は世界中で急落、日経平均は1,286円の下げで1万4952円と1万5000円を割り込みました。しかし、変動範囲の下限である1万4665円には届かなかったことから、市場が受けたショックは統計的に“異常”と言えるほどには至らなかったと言えます。
その後のイギリスの動きは「“Brexit”(British Exit=イギリスの離脱)から“Bregret”(British Regret=イギリス国民の後悔)へ」といった言葉が流行るなど、どうもはっきりしません。こうした状況から、市場は一気に新底値へ落ち込む恐怖から徐々に平常ペースを取り戻しているように見えます。
日経平均は24日の1万4952円から及び腰ながらじわじわと回復の様子を見せており、当面、明確な材料が出なければ次ページの数表にある通常の変動範囲まで戻っていく可能性があります。その際のメド、通常の変動範囲の下側は1万5846円になります。
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