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7月日銀会合 Bloomberg日高記者の「ガセネタバズーカ」復活はあるか?=E氏

ブレグジット対策に奔走する欧州ECB

追加緩和を散々してきたECBですが、国債の流動性やマイナス金利の弊害から持ち駒を減らしてきたため、早期の追加緩和観測が遠のいてしまった中でのBrexit混乱が起きました。ECBは一体どういうアクションを取れるのでしょうか?

今年1月のECB理事会後の会見でドラギ総裁が宣言したとおりに、3月上旬のECB理事会では追加緩和が決定されました。しかも、マーケットが期待していた国債買い入れ額増額がメインだったのでほぼ満額の回答です。ここまでは、追加緩和路線でした。

しかし、3月理事会合後の定例会見上でドラギECB総裁は利上げ打ち止めとも取れる発言をしてしまったことで、マーケットには「ECBの追加緩和打ち止め観測」が急速に台頭し、実際、以降多くのECB要人たちが早期の追加緩和に消極的な発言を繰り返しています。そして、4月、6月のECB理事会は多くの要人発言から想像されたとおりにノーアクションでした。

しかし、先週末の英国のユーロ離脱を受けて、何かしないといけなくなりました。

「貸し出しへのマイナス金利適用」は先週から始動したばかり

今用意されている緊急アクションは、金融システム不安に対応するものであって、インフレ率引き上げや景気浮揚を狙うものではありません。なので、マーケットが恐怖の結果パニックになるのを避ける効果はあっても、株価の押し上げ効果は限定的でしょう。

同様に、先週金曜にG7財務相と中央銀行総裁が共同で発言をしましたが、それも同じ内容です。

失血死を避けるために、血液を大量輸血する準備がありますというだけなので、株価の押し上げ効果にはなりません。従って、この報道で先週金曜に欧米株が下げ止まりましたが、依然として下方トレンドは続き易いと判断したのです。

では、追加緩和などの金融政策は出てくるのかというと、現時点では無いともいえません。

4月にBloombergが日銀でも議論しているとガセネタを報道した貸し出しへのマイナス金利適用は、ECBはこの3月に決定したのですが、先週からようやく始動されたのです。

常識的に考えると、まずこの緩和策の効果がどうかを見る必要があります。なので、ドラギECB総裁による緩和リップサービスはあるかもしれませんが、実際の緩和が出てくるのにはもう少し時間が掛かると思います。

しかし、リップサービスで株価が持ち直すかというと、それは微妙です。その理由は、この数ヶ月当面の追加緩和に消極的な理由として、ECBの要人たち自らが「当面の緩和の弊害や限定的な効果」を説明してしまっているためです。

Next: ドラギECB総裁はいつまでリップサービスでしのげるか

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