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プロ任せは危険!「投資信託ビンボー」にならないための資産運用入門=俣野成敏

税金が優遇されるNISA

さて、ここまでは投信についての基礎的なことをお伝えしてきました。続いて、気になる税金に関しての優遇処置が得られるNISAについても簡単に触れておきましょう。

NISAについて

NISAとは、投資で得た利益に対してそれまで行われていた「軽減税率」が2013年に終了するに伴い、2014年から始まった「少額投資非課税制度」のことです。2014年1月以降、上場株式や投資信託等の売買益に対する課税20.315%が、NISA口座を利用した、最大120万円まで(2016年から)の投資に対する配当金等が非課税になるというものです。

NISAのシステム自体は良いものです。ただし、NISAには大きなデメリットがあります。それは「損益通算」や「3年間の損失の繰越ができない」という点です。

損益通算」とは、株や投資信託、ETF、J-RIETなど投資商品の間で合算が認められる制度のことで、損失が出た場合は、利益から損失分を差し引いて、残った利益だけに対して税金がかかるようにすることができます。ところがNISA口座に関しては、それができないのです。

まず、NISAの非課税のメリットを受けるためには、NISA口座の開設が必要です(基本的にひとり1口座のみ)

一般的に、投資をしていると、利益の出る銘柄もあれば、中には損失が出る銘柄もあります。

たとえば、ある年にA投信で100万円の利益が出たとします。しかし、B投信で50万円の損失が出てしまったとします。NISA以外の投資であれば、税金は100万-50万=50万×20%=10万円ですが、NISAの場合はこれができず、そのまま支払う税金が、100万×20%=20万円になるということです。

このように、NISAの場合は非課税の代わりに損益の通算ができず、NISA以外の投信口座との通算も同じくできないことを意味します。これがNISAの大きなデメリットです。

どうしてこのような制度になっているのかというと、もともとNISAが「利益が出る」ことを前提につくられていることと、その目的が、個人に投資を促すためにつくられたことによります。つまり国は、お金は使ってもらいたいけれど、自分たちのとり分(税金)は減らしたくないわけです。

NISAは利益が出れば問題ありませんが、実際はいつも利益ばかりが出るとは限らず、損失が出た場合は、かえってNISAでは不利になるということを、念頭に置くようにしてください。

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