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「年金」を巡る漠然とした不安。日本で年をとることの何が心配か=山田健彦

年金制度の前提が崩壊している

ところで、今の年金制度は、1961年の国民皆保険制度が施行されたのが始まりとされていますが、その頃の平均寿命は、厚生労働省の「簡易生命表」によると男性が65.21歳、女性は69.88歳でした。

当時の定年は55歳なので、男性ですと引退してから10年くらいで寿命を迎えたことになります。

10年くらいであれば、退職金と年金とを合わせて貯蓄を取り崩しながら、何とか老後の資金ショートは免れたかもかもしれません。しかし今は、60を過ぎてから平均で20年以上も生きるので、何もしないでいると資金ショートとなる可能性が増えてきます。

日本の年金制度は、ご存じのように現役世代の人々が引退した世代を支えていく仕組みになっています。この仕組みは、常に人口が増えていくという前提で機能しますが、現実はそうなっていません。

仮に今からずっと、爆発的に赤ちゃんがたくさん生まれたとしても、その人達が働いて年金保険料を納付できる年齢に達するまでには最低16~22年の期間が必要です。出生率を上げるといっても、年金制度が再び軌道に乗るまでには相当の忍耐期間が必要となります。

一方、厚生労働省の統計では、平成26年度分の国民年金納付率は68.0%。ただ、所得が著しく低い等の理由で保険料の納付を免除されている人を考慮すると、実際の納付率は40%くらいという推計があります。

このような低い納付率で制度が存続できるとは思われません。今後ますます、高齢者が生きていくための保険である年金制度は怪しくなっていきます。ならば、その年金を補完するものは何なのでしょうか。

預貯金の金利がほぼゼロなので、個人向けの年金保険、家賃収入をもたらす不動産投資、株式等の有価証券への投資、夫婦共働きの期間を伸ばす、いろいろとあるとは思いますが、いずれにしても何か自分からアクションを起こす必要があります。

次回以降は、投資に直結するような世の中の動きやその見方についてお伝えしていきます。

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資産1億円への道』(2016年8月4,12日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。

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