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「年金」を巡る漠然とした不安。日本で年をとることの何が心配か=山田健彦

年金だけでは貧乏まっしぐら?

一般論として65歳から頼りになるのは年金です。

国からの年金は主として自営業者の人が入る国民年金、会社員が入る厚生年金がありますが、年金の受給額はその人の年金掛け金の納付期間、納付金額により大きく異なります。

日本年金機構の統計(2014年8月)では、厚生年金受給者の平均受給額は月14万7508円、国民年金の場合は月5万3418円となっています。

これらの情報をもとに、年金以外の自分自身の蓄えの必要額を計算すると、厚生年金加入者でも最低限、4,000万円くらいは自分で用意する必要があります。もし「ゆとりある老後」を過ごしたいなら、自分で約6,200万円を用意しなければなりません。

退職金が2,500万円としても、やはり自分で1,500万円~3,700万円を用意する必要があります。

しかもこの数値以外に、諸物価の上昇や家屋のメンテナンス費用、家電の買い換え、さらには病気で入院するときの費用などを別途考慮しなければなりません。

結構大変な時代になってきました。

生涯を通じた医療費支出のうち半分以上は70歳以降に

厚生労働省のHPに「健康寿命の延伸に向けた取組」という資料があります。健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことで、介護不要で健康的に生活できる年齢の上限のことです。

それによると、2013年現在で健康寿命は男性が71.19歳、女性が74.21歳です。日本人の平均寿命は男性が約81、女性が約87ですから、男性の場合で約9年、女性の場合は約12年超、さまざまな医療・介護費の支出に直面することになります。

生涯を通じた医療費支出のうち、その半分以上は70歳以降という試算もあり、今は健康な人でも医療費支出に備えた蓄えも必要です。

Next: 漠然とした不安の正体は「年金制度の大前提の崩壊」にあった

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