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トランプと習近平の密約「米国発の円高シナリオ」を加速させる3要因=斎藤満

アメリカと中国による「仕組まれた円高」

18日にはペンス副大統領とともに、ウィルバー・ロス商務長官も来日します。

つまり、為替に関わる金融政策が初めて日米対話の議論対象になる可能性があり、日米の経済協力全般の議論と並行して、ロス長官と通商問題も議論されます。

言い換えれば、トランプ大統領は日本の為替、対米貿易黒字に対して不満があり、今回の「対話」を契機に、改善を求めていると言えます。

その中で、今回は特に為替を利用してくる可能性があります。

過去20年平均に比べて20%の円安」との評価は、かなり具体的なシグナルです。米国からすると、為替を円高に誘導することで、2つの目的を有利にします。

1つは言うまでもなく、日米間の貿易不均衡是正です。円高にしてどれだけ不均衡が是正されるか不透明ながら、ドル安にして米製造業を楽にする面はあります。

もう1つが、米国のインフラ投資計画や中国の金融危機におけるファイナンスを考えたとき、もう少し円高にした方が有利になるという面です。

中国が売却した米国債を日本に買わせろ

米国のインフラ投資計画については、まだ具体策が提示されていませんが、民間資金を導入したいとしているものの、投資家にどんなインセンティブを付与するか苦慮しています。最悪の場合は日銀の米国債購入の道を考えています。

その前に、お隣中国の5月金融危機も懸念されています。中国は為替介入なしに人民元を安定させるため、金利を高めにして「引き締め」的な金融政策をとっています。さらに、北京などでは不動産バブルを回避するために、住宅向け貸し出しの規制を強化しています。このため、中小金融機関の経営が不安定になったと言われます。

米国はこれを先取りして、米国資本による不良債権ビジネスに参画できるようにし、さらに米中首脳会談を機に、米国資本が中国の銀行に投資しやすくなりました。

中国の金融危機は、ある意味では米国の商機になりますが、いずれにしても資金が必要になります。その場合、中国政府や企業が米国債を売却して、資金手当てをする可能性があります。

そこで中国がアウトライトで米国債を大量に売ると、長期金利の上昇につながりかねず、米国は中国が保有する米国債を、相対で日本に引き取らせたい、と考えています。民間資金でも良いのですが、ここでも日銀の購入が想定されているようです。

Next: 「中国の金融危機回避」を想定した円高誘導シナリオが発動か?

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