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私が考える「良いROE主義」と「悪いROE主義」の違い=内閣官房参与 藤井聡

このように、配当金だけを考慮するような株主にしてみれば、その純利益が、適正なものであっても不適正なものであっても同じなわけですから、ROE主義に良いも悪いもありません。あっさりいって、配当金「だけ」を考える投資家・株主にしてみれば、何がどうでもいいからROEが高ければ、それで万事OKなわけです。

しかし、「株主以外の多くの人々・組織」の利益(すなわち「公益」という奴ですね)にとってみれば、同じROEはROEでも、良いモノと悪いモノの明確な区別があります

そして残念なことに今、「ROEをあげよう!」という民間の運動は、悪いROE主義を跋扈させ、良いROE主義を駆逐する疑義が濃厚に存在しているのです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150218/277694/?rt=nocnt
http://goo.gl/X64tjl

もしも、「悪いROE主義の跋扈」が真実だとするなら、我が国においてはそれも当たり前、といえるでしょう。なぜなら、我が国は今、デフレだから、です。デフレとはつまり、需要が少ない、ということであり、それはあらゆる企業において「売り上げ」が伸びない、という状況なのです。

そんな状況の中で、ROEを上げる運動を起こせば、どれだけ良心的な企業であっても、簡単に「売り上げ」をあげることは容易ではありません(もちろん、優秀かつ良心的な企業ならそれも可能でしょうが、多くの会社は、そういうわけにはいきません)。したがって、必然的にROEを上げるためには、コストカットをする企業が増えてしまうのも、当たり前、ということになります。

とは言え、悪いROE主義は論外としても、「無ROE主義(つまり現状)」よりも、「良いROE主義」の方が望ましいことは間違いありません。したがって、デフレ状況下でもあるにも関わらず「悪いROE主義」を駆逐して「良いROE主義」を促進することが、「可能である限り」(!)において、「良いROE主義」を促進していくことは、現時点においても正しい道であると、考えます。

Next: 「良いROE主義」と「悪いROE主義」、区別するにはどうすればいいのか

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