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マクロン仏新大統領に敗れたルペン氏の経済音痴ぶり/混迷するBrexit =大前研一

【ハンガリー】中央ヨーロッパ大学閉鎖の意味

フィナンシャル・タイムズは先月27日、「ハンガリーはEUの価値を遵守せよ」と題する社説を掲載しました。ハンガリーのオルバン政権が教育法を改正し、外資が設立した教育機関の認可基準を厳しくしたことで、首都ブダペストにある中央ヨーロッパ大学が閉鎖に追い込まれる見通しです。

オルバン首相は、EUの価値観に対してあからさまの攻撃を仕掛ける一方、EUから多額の助成金を搾り取っており、オルバン首相と東欧全域の非リベラル思考の波を食い止めるには、EUは代償を課さねばならないとしています。

私もこのヨーロッパ委員会の議論を見ましたが、オルバン首相は総攻撃にあっていました。基本的にハンガリーは貧しい国なので、EUから補助金などいろいろなものをもらっています。今後は地域別に補助金が出てくるという順序になっているのですが、ハンガリーはかなり右翼的な発想でやっているのです。

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中央ヨーロッパ大学というのは、ハンガリーからイギリスに逃亡し大成功したジョージ・ソロス氏が、彼はある意味自由主義のスポークスマンのような人ですが、自由主義教育をするという目的で作った学校です。その大学を自分たちハンガリーのためにはならないとして、閉鎖するとしているのです。

ヨーロッパ中からいろいろな人がやってきて教育を受けることも、自分たちのためにはならないと主張しています。こうしたことで、ヨーロッパ委員会でオルバン氏は、一体誰の代弁をしているのかと吊るし上げられていたわけですが、彼は平然としてそれを聞いていました。

いずれにしても、ハンガリーという国は非常に重要な位置を占める国で、東ヨーロッパでも中核的な国です。しかし、報道の統制をするとか、インターネットに課税をするとか、様々な情報操作をしようという動きが顕著です。また特に、難民の受け入れについてもはっきり拒否しており、ヨーロッパの中ではやや行き過ぎではないかと言われているのです。今後ヨーロッパから来る予算についても、ハンガリーはもらう側なので、態度をはっきりしないとEUは予算は出さないと言っていますので今後に注目です。

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グローバルマネー・ジャーナル』(2017年5月10日号)より抜粋
※記事タイトル、太字はMONEY VOICE編集部による

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