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「確定拠出年金は入るべきではない」というシンプルで衝撃的な結論=俣野成敏

2. 確定拠出年金で損をしないためには

詳しい話は後にして、ここではひとまず予備知識として、世間一般でいわれている知識を確認しておくことにしましょう。

確定拠出年金のメリット・デメリットは?

まずは確定拠出年金のメリットです。

(1)運用利益が非課税

これが、確定拠出年金の最大のメリットです。これはNISA(少額投資非課税制度)と同じですが、確定拠出年金はさらに、掛け金が全額所得控除になります。また、NISAには年間利用限度額が120万円まで、最長5年までという縛りがあります(NISAについては、Vol.10のQ&Aで詳しく説明しています)。

(2)運用コストが安い

多くの商品の売買手数料がゼロ円。信託報酬も、全体的に低めに設定されていたり、専用の低コスト商品が用意されていることがあります。

(3)売買が何度でも可能

投資する商品の売買や資金配分の変更は何度でも可能で、すべて非課税です。NISAに比べると有利な点とされています。

続いて、確定拠出年金のデメリットです。

(1)60歳まで引き出しができない

受けとり開始時期は、60~70歳の間で選択し、70歳までには受給を開始しなければなりません。積立期間が短い場合は、その分、受給開始年齢が遅れることになります。

(2)解約できない

確定拠出年金は、1度加入すると解約できません。家計が苦しいなどの理由で拠出金を払うことが難しくなった場合は、引き落としを一時停止するだけとなり、そうした場合でも、毎月数十円以上の維持手数料を支払うことになります。

(3)特別法人税がかかる

毎年の資産運用残高に対して、特別法人税が1.173%かかることになっていますが、2017年3月まで凍結されています。日本の金融商品の利回りが全体的に低い中で、これが解除された場合は、確定拠出年金のメリットが大きく削がれることになるため、当面は解除されないと思われます。

確定拠出年金には2種類ある(企業型、個人型)

確定拠出年金は、大きく2種類に分けられます。それは、個人が任意に加入し、掛け金も自分で支払う「個人型」と、企業が自社の年金制度として導入している「企業型」の2種類です。

企業型の場合は、従業員は強制加入となりますが、代わりに企業が掛け金を拠出したり、従業員と折半したりといったメリットがあります。お勤めの会社に、企業型の確定拠出年金が用意されておらず、それでも確定拠出年金に入りたい場合は、個人型に加入するしかありません。

確定拠出年金の掛け金は、それぞれ上限額が決まっています。

自営業者のように、国民年金しか加入していない人が、確定拠出年金を利用する場合は、月額最高6万8000円まで積み立てることが可能で、年間支払額の81万6000円の全額を、所得から控除することができます。企業年金がない会社に勤めるサラリーマンや主婦の方などが個人型に加入する場合は、月額2万3000円まで積み立てられます。

企業年金が会社に用意されている会社員や公務員が、この制度を利用したい場合、すでに他の年金制度を利用しているため、掛け金は月額1万2000円までになっています。企業型に加入している人で、さらに従業員拠出制度(マッチング拠出:掛け金の上乗せ制度)がある会社に勤めている人は、それ以上、個人型に加入することはできません。

入った方がいい人、入らなくてもいい人、入れない人

ここまで、現在の日本の年金制度や確定拠出年金について、ざっと見てきましたが、何となく全体像がつかめましたでしょうか。

ここからは、今後の対策や、確定拠出年金との付き合い方についてのお話をメインに進めていきたいと思います。

まず、今回の結論から先に述べておきますと、「確定拠出年金にお金を払うくらいなら、別のものに投資をした方がいい」というのが、当メルマガの結論です。

確定拠出年金も、マイナンバー制度と同じく、表面的には「皆さんにとって、こんなにいい制度ですよ」と宣伝されています。

一例を挙げるなら、

  • 「税金控除がお得」
  • 「会社の都合で年金を減らされることはありません」
  • 「増やせるかどうかは自分次第です」

……といったことです。

では、その言葉の裏に隠された、本質的な部分がどうなのかというと、早い話が、企業の力では資金の運用ができなくなったため、匙を投げたということです。

かつては、会社に数十年勤めれば、3000万円の退職金がもらえたという時代もありましたが、そうした制度はもう、維持できないわけです。

それがどういうことなのかを、試しに、従来の確定給付型年金の場合で考えてみましょう。

たとえば、22歳で厚生年金に加入して、社員と会社で1万円ずつ出し合い、計2万円を38年間、積み立てたとします。当時は60歳で退職したとすると、積み立てた金額は912万円になりますが、それを2000万円や3000万円といった額にするためには、912万円を2倍にするだけでも、最低利回りが2%以上必要で、3倍なら4~5%の利回りがないと、目標金額には到達しません。

以前は、普通預金でもそれくらいの利率がつく時期がありましたが、今の日本で、それだけの利回りを上げられる商品があるでしょうか?普通預金の利息が0.001%しかつかない、今の日本で。

つまり、この章のタイトルの答えをお伝えすると、

◎入った方がいい人→正確には、入らざるをえない人。会社が企業型を用意している場合、強制加入のため、入るしかない

◎入らなくてもいい人→入らなくてもいいなら、入る必要なし

◎入れない人→入れなくて、かえってよかったのでは?(笑)

……となります。

Next: なぜ(個人型)確定拠出年金は避けるべきなのか?さらに詳しく解説

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