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「確定拠出年金は入るべきではない」というシンプルで衝撃的な結論=俣野成敏

4. 確定拠出年金との「賢い」付き合い方

「個人型」については任意となっていますので、「入らない」という選択肢がありますが、「企業型」は強制加入のため、そういうわけにはいきません。

ここでは、「入らない」という選択肢を持っていないサラリーマンの方向けに、どうすればいいのかを考えてみたいと思います。

掛け金はいくらにすればいい?

ここまでお読みいただいた、当メルマガ読者の方でしたら、もうお分かりだと思いますが、企業型確定拠出年金が強制加入である以上、加入されている方は、「掛け金は最低限」にすることをオススメします。それ以上の金額を積み増ししても、増える可能性は少ないと思われます。

年金の最低掛け金は、1ヶ月5000円です。変更は、1000円単位となっています。掛け金の増減は、年度内に1度だけ、申請することによって変更が可能です。

この年金を受けとるためには、10年以上加入していなければならず、掛け金の前納・後納は今のところできません。引き落としは月に1度だけとなっており、引き落とせなかった場合、その月は未納扱いとなりますので、注意が必要です。

他の控除などとの兼ね合いは?

税金に関してですが、この年金と他の控除との併用は可能となっています。たとえば、不動産投資などで得た利益があっても、確定拠出年金が影響することはありません。

手続きや税金面などに関することは、基本的にはすべて会社が代行してくれますが、副業などをしている場合は、自分で確定申告を行う必要があります。

実際のところ、会社で100%確定拠出年金を導入している、というところはまだ少なく、大部分は、確定給付型年金と併用している状態です。ですから現在、自分の会社の年金制度がどうなっているのか、併用だった場合は、確定拠出型が年金全体のどれくらいの比率なのかを、確認しておいた方がいいでしょう。

現在、多くの年金制度が維持できずに変更・廃止されています。一例を挙げると、厚生年金基金は、代行返上や解散が相次いだため、制度は廃止される方向で動いています。また、2012年3月末で廃止された適格退職年金は、会社が保険会社や信託銀行などに運用を委託する制度でしたが、予定利率を達成できず、解散に追い込まれました。

いずれ、どの会社も確定拠出年金へ移行すると予想され、その際は、従来加入していた年金の給付水準が引き下げられることも珍しくはありません。現に、当マネースクールの生徒さんの中には、会社の制度変更に伴い、強制的に退職金の積立金を、確定拠出年金に移行されたという方もいらっしゃいました。

次は、あなたの番かもしれません。

どれを選べばいいのか?

次に、商品選択に関してですが、実際には、想定利回りなどを参考にしながら、選んでいくことになると思います。確定拠出年金で用意されている主な投資商品(投信)には、「日本株式」「日本債券」「外国株式」「外国債券」「不動産投信(REIT)」などがあります。
※想定利回り……予定年金額に到達するために必要な利回りのこと。設定している企業の想定利回りの平均は、2015年3月末時点で2.02%

取り扱っている商品は基本的に3パターンあり、預金などの「元本保証型」と、指標に合わせて値動きする「インデックス型」、リターンを狙った「アクティブファンド型」の3種類です。リターンを狙うといっても、上記の適格退職年金のように、プロであるはずの保険会社や信託銀行でさえ、利回りを確保できずに、制度が廃止に追い込まれているのが現状です。

確定拠出年金の問題のひとつとして、すべての商品が「日本製」だという点が挙げられます。販売会社が日本の会社である以上、相当のマージンを抜かれていると見て間違いありません(投資信託について、詳しくはVol.7をご覧ください)。

日本で購入できる金融商品には、もともとリターンを出せるようなものがほとんどないわけですから、選びようがないが実情です。

Next: 「極力、年金を目減りさせない運用」とは? 2つのポイント

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