気になる調整サイクルは2017年秋にやってくる
調整のサイクルは、新しい大統領の就任後1年ぐらいに起きやすいです。ですから、通常は2017年秋ごろとなります。新しい大統領への期待と現実が、冷静に見られるためです。ただし、今回は調整が小さくなる可能性も考えられます。
その理由の1つは、アメリカの産油国化。アメリカは、さながら「サウジアラビア」へと変化しています。石油が自国で調達できて、輸出余力もあるかもしれないというのですから、この力は実は大きいです。
2つめは、超長期のコンドラチェフサイクルの大底からの上昇。これまで「ステルス大恐慌」であったわけですが、これが反転する時期に入っています。つまり、これまでの時代は好況は短く不況は深刻化しやすかったわけですが、突然にこれが逆になり、好況は絶好調で不況は軽いということが起きます。
メインシナリオは…
- 2015年までの金融相場
- 2016年前半の調整
- 2017年まで業績相場(バブル的)←現状ここ
- そして、2017年秋に、調整
日銀のオペレーションが景気を良くする方法に変化しているので、日本もようやくデフレ不況から抜け出すことになるでしょう。トランプ大統領という「外圧」頼みではあるのですが…。
新聞報道で、長期金利の上昇は「悪く」、長期金利を下げるのは「良い」ように報じられることがありますが、金利を下げるべきは「短期金利」です。インフレ期待があれば、長期金利は高くてあたり前です(長期金利も低ければ、デフレや不況を意味します)。
日銀のオペレーションは、短期金利を下げる方法に変化していますから、「金融機関(貸し渋り)」「人材派遣会社(人材えり好み)」「内部留保(巨額資金が眠る)」という、景気回復を遅らせている3大要因はあるものの、今後、短期金利の低め誘導の効果は出てくるでしょう。
ちなみに、アメリカの景気回復がいつも早いのは、
- 金融機関が貸し渋りをすれば、違う企業(新業態)が資金を供給
- 採用は、基本的に人種・性別・年齢に関係なく、履歴書の写真もない
- 内部留保は、資金を活用していないとして経営者が批判されるので、投資や設備、買収に向かう
こうした要因のためです。
『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2016年11月19日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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