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副業サラリーマンの税金対策。「節税と脱税の違い」を僕達はまだ知らない=俣野成敏

2.先に押さえておきたい税金に関する2つのポイント

節税がしたい」とたいていの人は言いますが、実は「節税とは何なのか?」についてわかっている人は多くはありません。それについてはおいおい説明していきますが、ここではまず、知っておいて損はない2つの予備知識についてお話することにしましょう。

【税理士って「税金を安くしてくれる人」じゃないの?】

俣野:それでは根本的な問いからお聞きしたいのですが、元来、税理士とは何をしている人なのでしょうか?

白井:税理士とは、簡単に言ってしまうと「電卓」です。基本的には国が設定した数字を基に計算をするだけの仕事です。税理士が、国とクライアントのどちらに付いているのかと言えば、100%国税寄りです。なぜなら、多くの税理士が国税上がりですから。

税理士は万一、国から目を付けられたりすれば、ライセンスを剥奪される可能性があります。だから国にはいい顔をしていないといけません。でもクライアントからお金をもらっている手前、「本当は100万円かかるけれども、50万円にしておきました」といった体裁のいいことを口にします。

けれど結局、その「50万円安くした」というのを決めているのは税理士です。これに対して、「本当のところはどうなのか?」ということを自分で確かめている人はほとんどいないでしょう。しかし「その50万円の税金を払っているのは自分」なのです。

現在、サラリーマンの方々は「本業以外に何かがしたい」と思っていますよね?たとえば夜のお勤めに行くとかアフィリエイトを始める、紹介業を始めるなど。その際、一般的には「空いている時間に、自分の都合でできるものを」といった発想から入ります。

実際にそうしたもので収入を得たとしても、彼らは「収入には税金がかかる」という考え方をまったく持っていません。そういう方たちが今、副業を始めようとしているのは、そもそものスタートラインが間違っているワケです。

こういう方たちがきちんと道から外れないよう、代わって税金を計算し、啓蒙的に税金を支払わせる仕事をしているのが税理士、ということです。

俣野:たいていの人は、税理士とは「節税をしてくれる人」のことだと思っているのではないでしょうか?

白井:税理士とは、納税をさせる人たちのことですよ。ただ単に、税理士から「税金を払わなくてもいいですよ」と言われた人が「この税理士は節税をしてくれた」と思っているだけの話です。

普通、税金は「引かれる」と言いますよね? でも本当は「引かれている」のではなくて「納めて」います。自ら国に「どうぞ」と納めているのです。それは給与天引きされていようが、税理士に計算してもらおうが同じことです。

これからの時代は、自分で納得した適正価格の申告をすることが大切です。申告というのは、自分が定義するから「申告」と言います。自分が申告する内容に関しては、税理士や国税と闘えるようになること。それは「自ら税理士になれ」ということではなく、【戦う術を身につける】ということです。

実は私自身、税理士免許は持っていません。それでも法人として複数の税理士を抱え、こうして国税と対峙しています。私の会社の従業員は、ただ単にお金が欲しくて私の会社で働いているワケではないと思います。人はお金だけでは動きませんから。

俣野:理念に共鳴し、そこで働く意義を見出して、初めて人は動くものですよね。

Next: そもそも、「節税」と「脱税」の違いとは何なのか?

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