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電気ストーブは主力じゃない!投資対象としての「山善」その実力と課題=八木翼

Q3:その企業の製品・サービスは20年後も陳腐かしていないか

陳腐化している部分も多いでしょう。さらに言うと、これだけ幅が広すぎると、進化にもついていきにくくなる部分が出てきます。

リスクヘッジのつもりで、幅を広げたのかもしれませんが、逆にリスクになっている可能性があります。

Q4:その企業はコングロマリットか

コングロマリットの可能性が高いですね。様々な分野に手を出しすぎているように思います。

Q5:その企業の1株当たり利益(EPS)は安定成長しているか

正直、微妙ですね。2006年から一株当たり利益はほぼ成長していません。また、EPSの上昇に直線性がありません。これは店舗を増やしたり、規模を拡大することで、単純に成長しやすい分野でないことが読み取れます。

2009年のリーマンショック時代を含めても、過去10年赤字になったことがなく、悪い会社ではありませんが、シンプルさに欠けますね。

決算年 EPS(円/株) 前年比成長率
2015 98.01 57.1
2014 62.38 6.1
2013 58.8 -11.8
2012 66.63 26.7
2011 52.6 13.1
2010 46.5 894.0
2009 4.7 -88.4
2008 40.4 -31.0
2007 58.6 -26.8
2006 80.0

年平均EPS成長率:2.0%

Q6:その企業は安定的に高いROE(株主資本利益率)をあげているか

決算年 ROE
2015 13.9%
2014 9.7%
2013 10.3%
2012 13.2%
2011 11.9%
2010 11.4%
2009 1.2%
2008 10.4%
2007 15.4%
2006 23.9%

平均ROE:12.1%

悪くはありませんが、やはり安定感に欠けますね。私の基準では、ほぼブレがなくROEを稼ぎ続けていることがベストです。

今は、アベノミクスやトランプ期待により、資金は緩和状態で、バブルになりやすい状態です。2009年のリーマンショック時に、大きく利益を下げている株を買うタイミングではありません。この会社もその一つと言えそうです。

Next: 気になる「山善」の財務基盤をチェックする

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