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トランプと電撃会談した孫正義は「日本のバフェット」になるか?=武田甲州

ソフトバンクグループを率いる孫正義氏が米国次期大統領のトランプ氏と会談し、500億ドル(5兆7000億円)の投資を表明しました。今回のアプローチはTモバイル買収の布石という見方もありますが、短期的視点はともかく、長期的にはもっと遠大なストーリーがあるように思います。(『週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』)

今から10~20年後には、ウォーレン・バフェットを超える存在に?

孫正義氏、トランプ氏に500億ドルの投資を約束

ソフトバンクグループを率いる孫正義氏が米国次期大統領のトランプ氏と会談し、500億ドル(5兆7000億円)の投資を表明しました。

ソフトバンクグループはすでに携帯電話3位のスプリントを買収して数年、第4位のTモバイルの買収はできていませんが、顧客数拡大、売り上げ増、時価総額も2兆円以上増やすことに成功しています。

今回のアプローチはTモバイル買収の布石という見方もありますが、短期的視点はともかく、長期的にはもっと遠大なストーリーがあるように思います。

孫氏はトップセールスで英国の半導体会社ARMを買収。IOT時代をリードしようとしていますし、韓国やインドでの大規模投資も表明しています。さらにサウジと共同して10兆円ファンドの立ち上げも合意するなど、ITを中心に世界中でビジネスを展開。この数年は特に、日本から世界へとビジネスの場を拡大しています。

借り入れに頼らない投資が可能に。ソフトバンク株に注目

資金の源泉はやはり携帯電話会社から入ってくる潤沢なキャッシュ。これまでは投資先である米国ヤフーや中国アリババなどの株式を売却して新規の投資に充当してきましたが、これからは違ってくると思います。

世界一の個人投資家といわれるバフェット氏は保険会社「ガイコ」を買収して潤沢な投資資金を獲得。ガイコはその後、バフェット氏が率いるバークシャーハザウェイの投資活動に不可欠の中核企業となりました。

孫氏も豊富な資金を使って、次々とIT関連の成長分野に積極投資しています。ITは世界標準を握れば巨額のマネーを生み出す打ち出の小槌。投資先の企業が連携して新しい価値を生み出すことも期待されます。これまでの企業買収で財務基盤がぜい弱となっているソフトバンクグループですが、今後はあまり借り入れに頼らずに投資を進めることになると考えています。

今後、孫氏はソフトバンクグループの企業価値を高めることにまい進し、10~20年後にはバフェット氏を超える存在になっているかもしれません。

ソフトバンクグループ<9984> 日足(SBI証券提供)

ソフトバンクグループ<9984> 日足(SBI証券提供)

足もとではトランプ銘柄の有力株としてソフトバンクグループ株が急騰。大注目となっていますが、そのような小さな捉え方ではなくて、よりスパンの長い超長期的視点でも大注目の銘柄となってきたように感じられます。

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image by:GongTo / Shutterstock.com

週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』(2016年12月12日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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証券アナリスト武田甲州が、経済やマーケットの先読み・裏読み情報を毎週月曜日に発行。2008年3月のセミナーでは米国で最大300兆円の公的資金投入を予想。2008年9月末時点で米国のゼロ金利、量的緩和政策実施を予測するなど大胆な未来予測情報もあります。

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