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中国3強(百度・アリババ・テンセント) vs 日本3強(ヤフー・楽天・LINE)の決算比較から見える厳しい現実=シバタナオキ

まとめ:中国3強BATの比較

ここでは簡単に3社の比較を行ってみたいと思います。指標を統一化するために営業利益ではなくEBITDAを記載して、1中国元=16.36円というレートですべての数字を日本円に直してあります。

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この表を見ていくつか言えることがあります。

  • 売上の成長率の高さからアリババとテンセントの2社が非常に上手くいっている一方で、百度が苦戦していることがよくわかります(原因はいくつかありえますが、一番大きいのは、スマホ対応の波に乗れたかどうかではないでしょうか)。
  • 2つ目にEBITDAの伸びを見ると、3社とも前年同期比+40%を超えるスピードで成長していることがわかります。
  • 3つ目に利益率を見ると、EBITDA率で33%から50%という非常に高い利益率を誇っていることもよくご理解いただけるでしょう。

日本の各セグメントのトップ企業との比較

続いて日本の各セグメントのトップ企業との比較を行ってみたいと思います。検索広告分野はヤフージャパン、Eコマースは楽天、メッセンジャーゲームはLINEを比較対象として選びました。

以下の表は、それぞれ直近の一四半期の比較結果になります。

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表の1番下に出ている数字は、中国のトップ企業と日本のトップ企業の売上・EBITDAの倍率です。

この表から読み取れることをいくつかまとめておきます。

  • ヤフージャパンの売上の成長率が百度の売上の成長率と同程度であり、やはり検索をコアにしていたプレーヤーのスマホ対応の難しさがあげられると思います。
  • Eコマースでは前年同期比+20%と早いスピードで成長しているアリババに比べると楽天の成長スピードが見劣りするだけではなく、すでにアリババは楽天の売上の3.6倍、 EBITDAで9.4倍もの規模になってしまっているという事実が挙げられます。
  • メッセンジャー分野でLINEの売上成長率が前年同期比+32%に対してテンセントは+59%で成長していることに加え、売上ベースでテンセントはLINEの23.3倍も大きいです。

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日本バッシングをしたいわけではありませんが、数字を客観的に見る限り、中国のトップ企業の方がすでに日本のトップ企業よりも規模が大きいだけではなく、成長率もずっと高いという厳しい現実が見えてきてしまいました。つまり、このまま放っておくと、差がどんどん開いていくことになってしまいます。

スマホブームに乗って、あっという間に規模でも成長率でも日本を飛び越えてしまった中国の3強の決算を取り上げてみました。

皆さんはどう思われましたでしょうか?

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決算が読めるようになるノート』 2017年9月5日号『中国3強(百度・アリババ・テンセント) vs 日本3強(ヤフー・楽天・LINE)の決算比較』より抜粋
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