生活費のすべてを賄うようには作られていない
ちょっと長くなってしまいましたが…、つまり何の保障もない人たちが自助努力で老後に備えてきたところを、それを保障する為に国民年金は作られたわけであります。
まあ、年金というと老齢の人が受けるものだという認識が強いですが、遺族年金や障害年金があるので、若い人にとっても十分関係する話なんですけどね。そういう事態のために、強制的に年金に加入してるわけです。
ちなみに公的年金はもともと生活費のすべてを賄うという考えで作られてはいない。老後の有力な収入ではあるけれど、あくまで所得の一部であるということです。ただ、65歳以上の高齢者世帯の55%くらいは公的年金収入のみで生活されています。
昭和45年当時、65歳以上のみの単身・夫婦のみの世帯は、まだ100万世帯にも行かない100万世帯弱程でした。今は1,300万世帯くらいになっちゃいましたよね。
※参考:平成28年分国民生活基礎調査(厚生労働省)
年金がなくなったら、高齢者は子どもや親戚が面倒を見るだけ
時代が目まぐるしく変わるなかで、年金不安も高まり、単に不安を煽るだけの破綻論や年金なんてやめろ!みたいな声も多くなってしまいました。ですが、もし年金が無い世界であれば、「今はものすごい長寿国になったけど、老齢になった両親や祖父母の方はそれぞれ子どもなり親戚が自己負担で面倒みてやってね」って話になるだけです。それができる人が、いったい今の時代にどの程度いるんでしょうか。
年金が無い、またはほとんど出なかった昔の人達は、自分の収入で老齢の親だけでなく子供や配偶者も養っていたわけです。
公的な負担(国からの年金支給)が無いなら、その負担は単純に私的負担(自分の収入で老齢の家族の面倒を見る)に変わるだけだから、今の年金制度への不平不満どころの騒ぎではなくなり、世の中はより混沌とするでしょうね…。
※本記事は有料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座next』2017年10月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座next』(2017年10月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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