fbpx

時に昭和36年、なぜ日本国民の誰もが国民年金の誕生を喜んだのか?=年金アドバイザーhiroki

拠出制の年金支給でぶつかった「2つの壁」

最初は無拠出制の形で国民年金を支給するようにはなったけれど、昭和36年4月1日に正式に保険料を支払う形の国民年金が実施されました。そこには、大きく2つの問題があったんですね。

1つは年金積立金の問題です。保険料徴収が始まるにしても、その徴収される保険料の使途が明確ではなかったし、また、再軍備に使われるのではないか!?という不安で、保険料を徴収されることにすごく反発が起きたんです。だから他の資金とは区別して、集めた国民年金保険料は別に管理して、その保険料の使い道などを明確にしました。

2つ目の問題は、この時に国民年金厚生年金共済年金と分立していましたので、それをどうするかでした。

国民年金は単独で25年以上納めないと貰えない厚生年金や共済年金は単独で20年以上無いと貰えないという制度でした。例えば、19年にわたって厚生年金に加入した人が退職して、イチから国民年金に加入したらどうなるか。国民年金だけで25年に満たないと国民年金は貰えないし、厚生年金も20年に満たないから年金は出ないという事態になります。なので、国民年金、厚生年金、共済年金それぞれの期間を通算して、25年や20年を満たせば加入期間分は年金を出そうという、年金制度の期間通算制度ができたわけです。

年金制度がみんな単独でバラバラだったのを、みんな手を繋いでそれぞれの期間を繋ぎ合わせて期間を通算したので、通算年金と呼ばれていました(現在その制度は廃止されていますが、今でも経過的に支給されている人が結構います。例えば、大正15年4月1日以前生まれの人が該当しています)。

しかし、昭和61年4月に厚生年金や共済年金に加入してる人もすべて国民年金に加入させて、職種に関係なく国民共通で負担する年金(基礎年金)としたことで、産業の変化の影響を受けなくなりました。そして、その国民年金(建物で言えば1階部分)の上に2階部分として、報酬に比例して年金額も変動する厚生年金や共済年金を乗っけた形にしたため、加入期間を通算する必要は無くなったわけです。

結局、みんなが国民年金に加入してる状態にしたから、とりあえず25年以上何らかの公的年金期間(平成29年8月1日からは25年以上から10年以上に短縮された)があり、その間1ヶ月でも厚生年金期間や共済年金期間があれば、国民年金(基礎年金)と一緒に(例えば1ヶ月分でも厚生年金の加入期間があれば、その分の厚生年金を)出しますよ!ってなったんです。

これは、昭和36年4月1日以降の20歳から60歳までの厚生年金期間や共済年金期間も遡って二重に国民年金に加入という形にして、今もその形で年金制度が運営されています。二重に加入してる状態ではありますが、別で国民年金保険料16,490円が含まれているわけではありません。厚生年金に加入していれば、厚生年金保険料のみが給与から天引きされています。

Next: 公的年金はもともと生活費のすべてを賄うようには作られていない

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらTwitterでMONEY VOICEをフォロー