株式と外為取引どちらがいい?特性や違いを比較しよう
株式市場と外為市場のどちらが良いのか?
野球とサッカーのどちらが優れているかを問うようなもので、正確な答えは出せません。
これでは答えになりませんのでもう少し見ていきましょう。
市場規模や流動性においては、世界中で単一の取引が行われる外為市場の方が圧倒的に上です。日本円でいえば、日本株式会社のようなもの。トヨタやアップルがいくら大きくても日本や米国といった巨大国家にはかないません。
次に特性や違いを見ていきましょう。外為取引は、FXおよび外貨預金を参照いたします。
利益面で比較
【株式取引】
1 売買の差損益
2 配当
【外国為替取引】
1 売買の差損益
2 通貨の金利
株式は、投資した会社が得た利益を株主に配当します。一方、外貨取引は、通貨ごとに金利を得られます。
取引時間で比較
【株式取引】
株式は、取引所が空いている時間で、基本的に夜間は取引できません。
【外国為替取引】
外国為替取引は24時間取引できるため、夜間も取引可能です。
必要資金で比較
【株式取引】
株式は、必要とするお金が数十万円~と多めです。そのため、1万円程度から売買できる投資信託が多く存在。
【外国為替取引】
外国為替は、FXの場合、数万円の証拠金で取引可能です。
変動要因で比較
【株式取引】
株式は、会社の業績や景気に左右されて株価が上下します。
【外国為替取引】
外国為替は、貿易や中央銀行の金融政策・金利で上下します。
正直、現代社会では、株式・為替とも連動しており、優劣つけがたい金融商品(取引)です。
その中でも、大きな違いとしては、長期投資に関することでしょうか。株式は、成長していく会社を見つけられれば、長期運用で大きな成果を上げられます。10年~20年の長きにわたり成長していけば、株価上昇率や配当は、かなり大きなものになるでしょう。
その分、倒産や業績不振で株価が半分やゼロになるリスクもあります。
為替は、通貨同士の取引ですから、10年や20年という長期にわたり、一方の通貨だけが強くなるのは少ないと思います。新興国通貨と先進国通貨のように、経済格差が大きい場合は、その差を埋めるために長きに渡る一方的な通貨高(安)はありえますが。
貿易不均衡を埋めるために、為替が変動する以上、超長期に渡るトレンドは生じにくいという特徴があります。
結論としては、まとまりにくいのですが、カレーとラーメンどちらが好きサッカーと野球どちらが好きと同じような議論だとお考えください。
ラーメン屋とカレー屋さん開店するならどちら?にも似た議論です。
株式は儲かるけどFXは儲からない。もしくはその逆などではなく、それぞれに良さやデメリット・リスクがあるということです。
『下流から見る投資の世界』(2015年5月11日号)より一部抜粋